中国が展開する人民元の二重戦略、新興市場通貨リスク高める恐れ

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  • 通貨バスケットに対する元安が競争力の問題引き起こす公算-ANZ
  • 元下落は相場安定維持という中国の政策への疑問生む-クレディS

中国人民銀行(中央銀行)は貿易加重ベースの人民元の軟調を望む傾向を強めているようだ。オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)グループがこう指摘し、他の新興市場通貨のリスクが高まっていると警告した。

  ブルームバーグが作成した「CFETS(中国外国為替取引システム)人民元指数」のレプリカは6日に97.8と、1年4カ月ぶりの低水準となった。同指数は主要13通貨で構成されるバスケットに対する人民元の値動きを示す。

  ANZのシニア外為ストラテジスト、クーン・ゴー氏(シンガポール在勤)はCFETS人民元指数について、「100の次は99、そして98と、私はこれまでフロア(下限)が存在したと考えていた。今後95-96に向かうなど一段と低下すれば、中国が特に他のアジア通貨に対してどの程度の元安を容認するのかについて一定の懸念を生み、競争力に関する問題を引き起こす可能性がある」と述べた。

  クレディ・スイス・グループのアナリストは5日のリポートで、人民元が重要な意味を持つ水準に下落したとし、同バスケットに対する元の安定維持という当局の方針に疑問が生じたとの見方を示した。

  市場関係者の間では、人民銀が資本流出抑制のため対ドルでの元上昇を容認する一方で、輸出回復を促そうと貿易相手国・地域の通貨には元安に誘導するという二重戦略を進めているとの観測がある。

  CFETSによると、元相場は上海市場で現地時間午後5時19分(日本時間同6時19分)現在、前日比0.12%安の1ドル=6.4835元。香港市場のオフショア人民元は0.1%安の6.4919元で、4営業日続落となった。オフショア元は1-3月期では1.6%高と、四半期ベースで2011年以来の大幅上昇となっていた。

原題:Yuan’s Dual-Moves Policy Spurs Warning of Emerging-Market Risks(抜粋)
Yuan Policy Spurs Warning of Emerging-Market Risks (Correct)(抜粋)

(最終段落に人民元の動向を追加して更新します.)
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