ドル・円は110円台前半、世界的株安でドルの上値重い

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  • 前日の海外市場で一時109円95銭、14年10月以来の円高値更新
  • 円安・株高の相互サポートが完全に共倒れの感-三井住友信託銀

6日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=110円台前半を中心に推移した。世界的な株安を背景に上値の重い展開となった。

  午後3時13分現在のドル・円相場は110円36銭付近。朝方に付けた110円23銭から110円64銭まで水準を切り上げる場面もあったが、ドルの上値は限定的だった。前日の海外市場では一時109円95銭と、2014年10月31日以来の水準までドル安・円高が進んだ。

  三井住友信託銀行マーケット金融ビジネスユニットの細川陽介為替セールスチーム長は、「アベノミクスに対するここ数年の期待感剥落といった面がある」とし、「円安・株高でお互いにサポートしあう部分が完全に共倒れになっているような感じ」と指摘。ただ、ドルが110円割れても下落が走っていないというのもあり、目先はショートカバーが入りやすいとしている。

  菅義偉官房長官は5日の記者会見で、為替水準の動向を緊張感を持って注視していくと述べた。一方、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の日本語ウェブサイトによると、安倍晋三首相は同紙のインタビューで、ここ数カ月の円高傾向や人民元の下落、その他の主要通貨の不安定な動きについて、通貨安競争は絶対避けなければならないとした上で、恣意的な為替市場への介入は慎まなければならないとの見解を示した。

  5日の米国市場では、世界的な成長低迷が深まるとの懸念を背景に株価が下落。S&P500種株価指数は4週間ぶりの大幅安となった。MSCIオールカントリー世界指数も終値ベースで2月11日以来の大幅下落となった。この日の東京株式市場ではTOPIXと日経平均株価が前日終値を挟んだもみ合いとなり、いずれも0.1%安で引けた。

  みずほ証券の山本雅文チーフ為替ストラテジストは、「円高に行っても、追加緩和や円売り介入に踏み切れないとみられていることが、円買いをしやすくしている」と指摘。「昨晩に菅官房長官の発言はあったが、口先介入にとどまっている。安倍首相も為替介入をやらないと発言とのWSJ報道も伝えられている」と述べた。

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