日経平均がアベノミクス初の7日続落、景気と円高警戒-内需中心安い

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6日の東京株式相場は、日経平均株価がアベノミクス相場では初の7日続落。世界経済の先行き不安に加え、前日の海外市場でドル・円が1年5カ月ぶりの円高水準に振れたことが嫌気された。週末の株価指数オプションの特別清算値(SQ)算出を前に持ち高調整も出ており、倉庫や水産、陸運など内需株の一角、保険や銀行など金融株が安い。

  TOPIXの終値は前日比0.62ポイント(0.1%)安の1267.75、日経平均株価は17円46銭(0.1%)安の1万5715円36銭。日経平均の7日連続安は2012年11月13日以来、第2次安倍政権は同年12月下旬に発足した。

  住友生命保険の岡田允彦ポートフォリオ・マネージャーは、「日銀短観で示された楽観的な企業の為替前提でも経常減益となっており、足元の為替でどれほど弱めの数字が出てくるのか分からず、警戒感がある」と言う。円高への警戒と同時に、海外投資家の間ではアベノミクスに対する期待も剥落し、「日本から長期資金が出ている。資金が戻るには一筋縄ではいかない」と指摘した。

  国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は5日の講演で、世界の景気回復に対するリスクは増しており、不平等への不満が保護主義の誘惑を強めていると指摘した。世界経済の見通しは、中国の減速と商品価格下落、金融引き締めリスクなどにより、ここ半年に悪化したとしている。同日の欧米株は軒並み下落した。

  5日のニューヨーク為替市場では、一時1ドル=109円台後半と2014年10月末以来のドル安・円高水準に振れた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの日本語ウェブサイトによると、安倍首相は同紙とのインタビューで、恣意的な為替市場への介入は慎まなければならないと発言。きょうの東京市場では110円20ー60銭台と、急速なドル売り・円買いの勢いは鈍ったが、5日の日本株終値時点110円79銭に比べると終始円高水準だった。

  きょうの日本株は小安く始まり、110円以上下げた後に95円高まで上げるなど不安定な値動きだった。為替や世界経済動向への懸念が投資家心理の重しとなった半面、日経平均は前日までの6日続落中に1400円超下落し、予想PERは14.06倍と3月1日以来の水準に低下、過去半年の平均14.8倍を下回る状況となっていた。東証1部の実績株価純資産倍率(PBR)も1.07倍と、過去半年で最低だった2月12日の1.01倍に次ぐ低さで、売られ過ぎ感や投資指標からみた割安感が下支えした。

  また、8日には株価指数オプション4月限のSQ算出を控えていることも方向感が定まらない一因。マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストは、割安感から底値に近づいているとみているが、上値を目指すには「実効性のある政策しかない」と分析。円高の原因は米利上げのペースではなく、日本がデフレに逆戻りしてしまっていることで、「日本銀行だけでなく、国も実効性のある政策を打ち、インフレ期待を高めて円高を止め、業績懸念を払拭(ふっしょく)しないと買い上がっていくのは難しい」としている。

  東証1部33業種は倉庫・運輸や保険、水産・農林、鉱業、卸売、化学、石油・石炭製品、陸運、銀行など20業種が下落。空運や鉄鋼、電気・ガス、海運、ゴム製品、サービス、非鉄金属、輸送用機器など13業種は上昇。東証1部の売買高は21億4727万株、売買代金は2兆1149億円。上昇銘柄数は730、下落は1083。

  売買代金上位ではパナソニック、マネーパートナーズグループ、第一生命保険、東京海上ホールディングス、アステラス製薬、JR西日本が安く、ジェフリーズ証券が目標株価を下げた三井化学は大幅安。半面、メリルリンチ日本証券による目標株価上げやUBS証券の投資判断引き上げが重なったスズキは高い。福岡高裁が川内原子力発電所1、2号機の運転差し止め抗告を棄却し、九州電力が急伸、関西電力は連れ高。東芝や楽天、オリエンタルランドも堅調だった。

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