米国債:上昇、10年債は1カ月ぶり低利回り-世界経済の減速懸念で

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5日の米国債相場は上昇。10年債利回りは約1カ月ぶりの低水準を付けた。世界経済の成長が鈍化しているとの懸念が再燃し、比較的安全な国債への需要が強まった。

  ドイツの製造業受注は2月に予想に反して前月比で減少し、ドイツ10年債利回りが1年ぶりの水準に低下すると、米国債は上昇した。世界の株式相場は2月以来の大幅安。世界経済見通しの悪化で米国の利上げ観測が弱まったため、米国債の年初来のリターンは3.2%となっている。

  BMOキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、アーロン・コーリ氏は「米国は世界から隔離されているわけではなく、世界的な問題は米国にも影響している。その混乱が継続するかどうかが大きな問題だ」と述べた。

  米連邦公開市場委員会(FOMC)は3月会合で世界的なリスクを指摘し、2016年の利上げ見通しを下方修正。市場の利上げ見通しに近づいた。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は先週、利上げを「慎重に進める」ことは適切だと述べた。今後1年の価格変動見通しを示すバンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチの指数は5営業日連続で低下し、2014年12月以来の低水準を付けた。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.72%。終値ベースで2月25日以来の低水準となった。同年債(表面利率1.625%、償還2026年2月)は12/32高の99 5/32。

  金融政策に敏感な2年債と、物価・経済成長の見通しの影響を受けやすい30年の利回り差は4日連続で縮小。4bp低下の1.82%となった。

  米商務省が5日発表した2月の貿易収支統計によると、 財とサービスを合わせた貿易赤字(国際収支ベース、季節調整済み)は471億ドルと、半年ぶり高水準となった。輸出額が1%増と、昨年9月以来で初めてのプラス。輸入額は1.3%増加した。

  JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル市場ストラテジスト、ガブリエラ・サントス氏は第1四半期の米国内総生産(GDP)統計について、この日の貿易収支が示した同じような内容を多々反映すると指摘。「輸出が成長にかなりのマイナス寄与となり、投資支出はなお若干弱い。それは世界的な弱さを一部反映している。その結果、成長は現状を打ち破ることができない」と語った。

  金利先物市場が織り込む6月までの利上げ確率は20%。FOMCが声明を発表する前日の3月15日には54%だった。この算出は利上げ後の実効フェデラルファンド(FF)金利が平均0.625%になるとの仮定に基づく。

原題:Treasuries Advance as Global Growth Concern Boosts Haven Allure(抜粋)

(第4段落と第6段落以降を追加し、更新します.)
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