マイナス利回りの日本国債、「魔法」でAAAの豪国債上回る利回りに

マイナス利回りの日本国債をトリプルA格付けのオーストラリア国債以上の利回りを生む資産に変身させる魔法のような取引がある。

  日本銀行によるマイナス金利の実験は日本の運用者らを海外の高利回り資産へと追いやった。こうして海外に流れた資金を為替変動から保護するためのコストは3月に過去最高に達した。これと逆の取引に収益機会があると気付いた一部の投資家は、クロスカレンシー・ベーシス・スワップ市場を使って日本国債を高利回りの合成商品に仕立て上げることにした。

  このような取引はオーストラリアとニュージーランドの運用者にとって「最も妙味があるようだ」が、米国と香港の投資家にとっても魅力的だと、HSBCホールディングスがリポートで指摘した。ブルームバーグのデータによれば、オーストラリアの投資家は例えば利回りマイナス0.21%の5年物日本国債をアセットスワップすることで、オーストラリアのスワップレートを108ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上回る利回りを得られる。これに対し、オーストラリア国債の利回りはスワップレートを下回っている。

  コモンウェルス銀行の債券調査責任者、アダム・ドナルドソン氏は「これは現時点で、全世界で相当大きなトレンドになっていると思う。世界の運用会社や銀行の日本国債への需要は相当強い。自国通貨にスワップしたときに利回りが大きくなり、豪ドルの場合は差が100bpを超えることもある」と話した。

  日本国債の約70%は利回りがマイナスになっているにもかかわらず、海外からの需要が高まっているのはこのためだ。日本銀行は1月29日にマイナス金利の採用を決め、国債利回り低下を加速させた。

  日本証券業協会 (JSDA)によれば、海外投資家は2月に、年限2-5年の日本国債を2兆6900億円相当買い越した。これは記録のある2004年から今までで2番目の大きさ。

  モルガン・スタンレーMUFG証券の杉崎弘一債券ストラテジストによると、外貨準備管理当局や国際的投資家が主な買い手で、主として期間の短いものを買っている。外で国人投資家の多くは日本国債のアセットスワップによって追加の利回りを得られると、同氏が電子メールで質問に答え説明した。

  13通貨について分析したところ9通貨で、この取引によってスワップレートを50bp以上上回る利回りが得られたと、HSBCの新興市場金利調査グローバル責任者のアンドレ・デシルバ氏(香港在勤)らが3月29日のリポートに記述した。

原題:Japan Negative Rates Alchemy Beats Australia’s Highest AAA Yield(抜粋)

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