NY外為:円が上昇、2014年以来の高値-介入リスクを警戒

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5日のニューヨーク外国為替市場では円が対ドルで上昇。1年半ぶりの高値をつけた。インフレ率の上昇を目指す日本銀行の金融政策に打撃を加える恐れがある。

  円は一時、1ドル=110円を抜いた。一部のストラテジストはこれを節目とみなし、日本の市場介入リスクが高まったとみている。これより先、菅義偉官房長官が為替水準の動向を緊張感を持って注視していくと発言し、日本銀行の黒田東彦総裁も為替を注視すると述べた。また、必要と判断すれば追加措置を講じるとあらためて表明した。

  HSBCホールディングスの米通貨戦略責任者、ダラフ・マー氏(ニューヨーク在勤)は「円は典型的なリスクオフ通貨となっている」と述べ、「市場参加者が神経質になった時に行き着く先が円だ」と続けた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで0.9%上昇して1ドル=110円34銭。一時は109円95銭をつけた。円は対ユーロで約1%上昇して1ユーロ=125円61銭。

  アナリストは日本の当局者が円安を目指して行動を起こすかどうか注目している。2月末時点で日本は2011年以降、為替に介入していない。

  HSBCのマー氏は1ドル=110円は「心理的に節目となる水準」だと指摘し、介入をめぐって市場参加者は神経質になると述べた。円の上昇は日本企業にとっては利益を損ねる要因となる。

  一方で、通貨市場に不安定さの兆候がない中で差し迫ったリスクはないと見る市場参加者もいる。BNPパリバの外為トレーディング責任者、ピーター・ゴラ氏は電子メールで「介入への恐怖は常にある。しかし市場は秩序だった環境にあるので、介入はないだろう」と述べた。

  また、野村ホールディングスのシニア為替ストラテジスト、チャールズ・サンタルノー氏(ロンドン在勤)は、相場が当局者の積極的な介入を誘う水準に近づいているわけではないと指摘した。  

  円は今年に入り上昇している。中国減速の兆しが世界経済に影響を与えているとの兆しが背景にある。この日の円高や日本の当局者の反応は、市場が不安定な動きを示した際に安全逃避通貨国が直面する問題を示している。

 三菱東京UFJ銀行の外為ストラテジスト、リー・ハードマン氏(ロンドン在勤)は円のバリュエーションからはまだ上昇の余地があることが示されていると指摘、「年初来から上昇しているが円は依然として割安だ」と述べた。円の過去5年間の平均水準は1ドル=約99円だ。
  

原題:Yen Surges to Strongest Since 2014 as Intervention Risk Weighed (抜粋)

(相場を更新し、第5段落以降を追加します.)
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