シャープCDSで「信用事由」審査要請、融資条件変更-ISDA

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  • シャープは主取引2行と、既存融資の金利など条件変更で基本合意
  • 「返済前に金利下げると信用事由の可能性」とSMBC日興の原田氏

経営再建中のシャープをめぐり、国際スワップデリバティブ協会(ISDA)は、銀行からの借り入れ条件変更が社債債務の履行に支障を来す信用事由(クレジットイベント)に当たるかどうかの審査要請を受けた。同協会が米東部時間の4日、ウェブサイトで開示した。

  審査要請の提出者は明らかになっていない。ISDAの意思決定機関である判定委員会が審査するかはまだ決まっていないが、仮に信用事由と判断すると、社債や融資の保険であるクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の売り手は買い手に対して、保証する義務が発生する。焦点となるのは、シャープと銀行との借り入れ条件変更の内容だ。

  シャープは3月30日、台湾の鴻海精密工業による買収案を受け入れ、出資額を当初の予定から約1000億円減額し、約3888億円とすることで決着。今月2日に株式引き受け契約を締結した。この契約を控えて、シャープはみずほ銀行や三菱東京UFJ銀行との間で、既存融資の金利など条件変更で基本合意。3月末に期限が来る協調融資の期日も4月末に延期することで合意していた。

  SMBC日興証券の原田賢太郎クレジットアナリストは、電話取材に対し、シャープが借り換えで金利を引き下げるのではなく、既存融資を「返済する前に金利を引き下げるとクレジットイベントの可能性が高い」と語った。日本証券クリアリング機構の資料によると、支払い不履行や企業倒産のほか、債務の条件変更が信用事由に該当する。

  一方、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の安蒜信彦シニア・クレジットアナリストは、6日付のリポートで「クレジットイベントに認定される可能性は低い」との見方を示した。その理由として、同氏は鴻海の出資受け入れに伴って借り換えに応じるのだから、「信用力悪化に起因する期間延長や金利減免ではない」などと指摘した。

CDS

  CMAによると、シャープ5年物CDSは、5日時点で456ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)。産業革新機構による出資に伴い銀行がシャープ債権の放棄を行う案が報道された昨年11月には、一時1653bpまで拡大していた。

  シャープ広報担当の植村豊土氏はコメントを控えた。ISDA香港オフィスの広報担当者から、問い合わせへの回答は得られていない。

  ISDAの判定委は、バンク・オブ・アメリカ(BofA)やバークレイズ、野村インターナショナルなどのディーラーやPIMCOなど投資家で構成される。

(第5段落にコメントを追加しました.)
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