「通貨戦争停戦」で新興市場資産の買いを推奨-ザーボス氏が方針転換

ジェフリーズのチーフ市場ストラテジスト、デービッド・ザーボス氏は新興市場相場の上昇が続くと考える投資家の1人だろう。

  米連邦準備制度理事会(FRB)の慎重な姿勢、原油価格回復、力強い資金流入、汚職撲滅をめぐるブラジルの動きといった各国特有の要因を背景に1-3月(第1四半期)のMSCI新興市場指数はMSCIオールカントリー世界指数やS&P500種株価指数を上回るパフォーマンスとなった。

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Source: Bloomberg

  ザーボス氏は顧客向けリポートで、米国株先物とユーロドルのロングによる取引で利益を確保し、その一部をMSCI新興市場指数に連動する上場投資信託(ETF)のコールオプションへの投資に充てたことを明らかにした。

  これはザーボス氏の方針転換を表すものだ。それまで同氏はFRBや日本銀行、欧州中央銀行(ECB)が進めるリフレ政策が途上国の成長を阻害するとして、新興市場資産を推奨してこなかった。

  何がザーボス氏の心変わりを促したのか。1-3月期に日銀とECBがともに通貨押し下げより信用創造を優先するような措置に動いたことに加え、ドル高に関するFRBの懸念だ。ザーボス氏ら一部のアナリストは、FRBの懸念がきっかけとなり上海での20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議でプラザ合意に似た合意が結ばれたと分析している。

  同氏は「先進国の通貨戦争の停戦が実現したとなれば、その恩恵を最も享受するのは新興市場だろう」と指摘。「新興市場にとって最悪の事態は1ドル=140円、1ユーロ=0.90米ドル、ドル指数が120になることだろう。欧州と日本が新興市場の成長を奪い、ドル高で新興市場にある全てのドル建て債務の価値が上昇するというマイナスの組み合わせだ」と説明した。

原題:Strategist David Zervos Is Recommending Emerging Markets for the First Time Thanks to ’Currency War Truce’(抜粋)

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