サウジアラビア副皇太子がインタビューで語った4つの事柄

  • サウジは建国以来最大の経済改革を計画している
  • 2020年までに石油以外の収入を年1000億ドル増やすことを計画

サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン副皇太子は先週、リヤドの王宮で5時間にわたってブルームバーグ・ニュースとのインタビューに応じた。以下はその概要。

1)石油の次の収入源を検討

  サウジの改革を目指すムハンマド副皇太子(30)の構想の中核は、同国のパブリック・インベストメント・ファンド(PIF)を世界最大と言われる政府系ファンド(SWF)にする計画だ。ファンドの規模は非常に大きく、サウジはいずれ石油収入より投資収入への依存度が高まる見通し。原油価格下落に伴い現状はもはや維持できない状況だ。

  最終的に2兆ドル(約222兆円)を超える規模となるPIFの資産の大部分は国営石油会社サウジアラムコの株式が占める見込み。「間違いなく、SWFとしては世界最大になるだろう」と副皇太子は語る。ファンドの資産規模は巨大で、時価総額で世界トップのアップルとグーグルの親会社アルファベット、マイクロソフト、バークシャー・ハサウェイを買えるほどの大きさになる見通しだ。

2)予算の穴をふさぐ

  規模がいかに巨大でも、一つの大規模ファンドがサウジの抱える問題全てを解決できるわけではない。サウジの財政赤字は昨年、同国の経済規模のほぼ15%に達し、30歳以下の若者の失業率は29%に上った。

  このため、ムハンマド副皇太子は他の資金調達方法も提案している。2020年までに石油以外の収入を年間1000億ドル増やすことを計画。この中には、補助金の見直しや付加価値税、サウジ在住外国人を対象とした米国のグリーンカードに類似したプログラムなどが含まれる。 

3)アラムコIPO、5%未満の株式が対象でも史上最大規模か

  アラムコの新規株式公開(IPO)は早ければ来年にも実施される見込みで、史上最大規模となりそうだ。ムハンマド副皇太子によれば、5%未満の株式と「複数の子会社」の株式の売却を予定している。残りの株式はPIFに移管される見込みだ。

  アラムコの石油収入を1バレル=10ドルと控えめに見積もっても、同社の価値は単純計算で約2兆5000億ドルに上る。ただ、これまで財務の詳細を開示したことがないという事実を考慮すれば、外国人投資家がどの程度投資意欲を持つかは不透明だ。この推計に基づけば、IPOによる資金調達額は最大1250億ドルに達する可能性がある。

4)改革の負け組は

  補助金の見直し、新税・手数料の導入は国庫にとっては有利かもしれないが、サウジ国民と外国人居住者、企業はより多くの負担を強いられることを意味する。  

  エネルギー補助金の削減が初めて発表された昨年12月には、オクタン価91のガソリンが67%値上がりした。それでもサウジは依然として世界で最も安価な国の一つ。真夜中に実施された値上げの前には、人々がガソリンスタンドに押し掛けた。また、今月は水道料金の請求書が届くと、その値上がりに国民の不満の声が強まった。サウジのインフレ率は1月に4.3%に上昇している。
  

原題:Four Things We Learned From Saudi Arabia’s Deputy Crown Prince(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE