ギリシャ、再びユーロ離脱危機にさらされる可能性-審査長期化なら

  • 国際債権団の審査が6月か7月まで長引けばデフォルトリスクも
  • 交渉は年金や税制でまだ合意に至っていないと欧州当局者

ギリシャ支援の条件となっている改革の進展状況に関する国際債権団による審査が6月か7月まで長引いた場合、ギリシャはデフォルト(債務不履行)やユーロ離脱のリスクに再びさらされる可能性がある。ギリシャのチプラス首相と債権団の交渉をモニターしている複数の欧州当局者が明らかにした。

  交渉が進行中であることを理由に、これら当局者が匿名で語ったところによれば、ギリシャは年金や税制、財政赤字でまだ合意に至っておらず、不良債権や民営化基金などの問題が引き続き協議の前進を阻害している。また国際通貨基金(IMF)も障害となっているという。

  IMFはギリシャの財政緊縮をどのように進めるべきかをめぐり、ユーロ圏側と見解を異にしている。ギリシャ救済が前進するためには最終的にはIMFの参画が必要だとドイツは主張。一方、内部告発サイト「ウィキリークス」が2日公表した文書は、IMFの当局者らがギリシャの債務救済を認めるようメルケル独首相に圧力を加える方法を探っていることを示唆した。

  ING-DiBa(フランクフルト)のチーフエコノミスト、カルステン・ブルゼスキ氏は「今年の夏に再びギリシャ危機が訪れる確率は比較的高いとみている」とした上で、「極めて遅い実施ペースや審査、世論調査での急進左派連合(SYRIZA)支持率低下、債務救済への乏しい意欲を考慮すれば、次の危機は既に形成されつつある。危機発生は時間の問題でしかない」と指摘した。

  欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会と欧州中央銀行(ECB)、IMFの交渉責任者は審査作業の再開に向け2日にアテネに戻る予定だった。審査は当初、昨年11月の完了を目指していた。ギリシャ財政は今年7月20日に償還期限を迎える23億ユーロ(約2900億円)など今後支払いが急増する見込みであり、同国政府が860億ユーロ規模の第3次支援プログラムから追加資金を受け取るためには支援条件の履行が進んでいると認められる必要がある。

  ウィキリークスのウェブサイトの掲載されたテキストによれば、IMF当局者3人は、難民危機と英国のEU離脱の是非を問う国民投票に加え、ギリシャの7月の償還がメルケル首相に債務救済受け入れを強いる可能性がある重要な出来事だと発言。IMFの報道担当は電子メールで、情報漏れや内部協議のリポートと思われるものにはコメントしないと説明した。

原題:Greece’s Euro Future May Be Back in Play If Rescue Talks Drag On(抜粋)

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