外資系金融:日本で働く従業員の6割が今年給与アップへ-調査

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日本で業務を営む外資系金融機関の従業員の約6割で、2016年の給与(賞与を除く)が昨年より増える見通しであることが、アイルランドの人材コンサルティング会社モーガンマッキンリーが実施した調査で分かった。

  調査によると、証券、銀行、運用会社など40社を超える外資系金融機関の東京オフィスで勤務する375人のうち、ボーナス以外の年間給与が前年より増えると回答した人は58%で昨年の42%から16ポイント増加した。昇給率は1-10%が全体の63%を占め、10-20%は約2割だった。

  今回の調査結果は、自社の人材が競合他社や他の産業に流出することを防ぎたい外国金融機関の状況を示している。国内のメガバンクグループなどは外資系証券から積極的な起用を続けているが、傘下の主な銀行などでは4月からの給与ベースアップは見送られた。

  モーガンマッキンリーで日本業務を統括するライオネル・キィデァゼス氏は、ブルームバーグの取材に「多くの外資系が優秀な人材を保持する必要性から報酬体系のベース部分を向上させる必要性があったのだろう」と分析。人材マーケットでは「若手を中心にプロフェッショナルたちが他の産業に転身する傾向が強まっており、銀行などはこれまで以上に競争にさらされるであろう」と語った。

金融から事業会社へ

  昨年11月にはメリルリンチ日本証券のマネジングディレクターで調査部長だった片山栄一アナリストがパナソニックに役員として起用された。同氏はことし1月1日に新設された事業開発部でM&A(企業の合併・買収)戦略の構築や実行の支援業務を率いる。

  調査ではまた、こうした給与増加見通しの中、日本経済に対する見方は明るくないことも判明した。回答者の47%が「中立」と答え、「悲観的」と「かなり悲観的」の合計は37%に上った。中国の減速など世界経済の先行き、不安定な市場環境と円高傾向が強まっていくことを理由に挙げている。

  モーガンマッキンリーは日本を拠点とする外国金融機関のバンカー、セールス、トレーダー、アナリスト、ファンドマネジャー、法務、リスク管理者などを対象に1月20日から3月11日にかけて調査を実施した。

  三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループの国内メガバンク傘下の証券会社などでは外資からの中途採用を積極化させている。

英文記事:More Bankers See Pay Rising This Year at Foreign Firms in Japan

(第8段落にメガバンクの採用動向を追加します.)
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