債券は下落、益出し売りや流動性供給警戒-10年入札順調も買い続かず

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  • 先物は前日比14銭安の151円55銭で終了、一時151円45銭まで下落
  • 新発40年債利回り0.435%と過去最低を更新

債券相場は下落。この日実施の10年債入札は順調な結果となったものの、流動性供給など超長期ゾーンの入札に対する警戒感が根強いに加えて、益出し売りに押されたとの見方が出ていた。

  5日の長期国債先物市場で中心限月6月物は、前日比3銭安の151円66銭で開始。いったん5銭高の151円74銭を付けた後、売りが優勢となり、下げに転じた。午後0時45分の10年債入札結果発表を受けてやや買われる場面もあったが、再び売りに押され、151円45銭まで下落。結局は14銭安の151円55銭で引けた。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「10年債入札後の相場は結果を好感した動きも見られたが、益出しの動きも相応に見られているもよう」と話した。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の342回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と変わらずのマイナス0.085%で開始。その後は水準を切り上げ、一時2ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.065%まで上昇。その後はマイナス0.07%を付けている。新発20年物の156回債利回りは横ばいの0.35%で始まった後、いったん0.345%に下げた後は、一時0.36%まで上昇した。新発40年物の8回債利回りは0.435%と、3月22日に付けた過去最低の0.445%を更新した。

  UBS証券の井川雄亮デスクアナリストは、「日銀オペで札割れが起きるかもしれないとの見方から、10年超の超長期ゾーンのボラティリティが上昇している」と指摘。「金利がもう少し下がると、期待リターンがなくなる。追加緩和なら話は別だが、現行の政策であれば、金利の底は近いのではないか」と語った。

10年債入札結果

  財務省が午後発表した表面利率0.1%の10年利付国債(342回債)の入札結果によると、平均落札利回りがマイナス0.069%、最高落札利回りがマイナス0.064%と、ともに初のマイナスとなった前回に続いて過去最低を更新した。最低落札価格は101円65銭と予想の101円61銭を上回った。小さければ好調さを示すテールは5銭と前回の9銭から縮小。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.89倍と2014年8月以来の高水準となった。

  UBS証の井川氏は、「10年債入札結果はそれなりに強い結果だった。大口の買いが入ったというよりも、日銀トレードに合わせたものだろう。市場予想で、少し弱く見ていたこともあると思う」と話した。

  メリルリンチ日本証の大崎氏も、「良い結果だった。入札前に若干売られていたこともあり、入札に向けた調整ができたために需要が出てきたのだと思う。10年債については、ロールダウンがプラスであることがポジティブな面ではあるものの、基本的には日銀の買い入れを意識した応札がメーンだったのではないか」と語った。

  7日には超長期ゾーンの既発国債を対象とする流動性供給入札が実施される。14日は30年債入札が控えている。みずほ証券の辻宏樹マーケットアナリストは、「最近の相場は超長期債主導なので、10年債入札結果が相場の材料になることはないのではないか。今週の流動性供給入札やその後の日銀買い入れオペや、来週の30年債入札の方を注目する向きが多い」と言う。

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