高村自民副総裁:予算前倒し補う事業が必要、経済対策で-NHK番組

  • 世界経済貢献へ新たな対策検討を安倍首相に進言-山口公明代表
  • 増税延期・衆院解散なら首相辞任に値-岡田民進代表

自民党の高村正彦副総裁は3日のNHKテレビ番組「日曜討論」で、2016年度予算の前倒し執行に伴って年度後半にはこれを補う事業が必要になるとの認識を示した。公明党の山口那津男代表は同じ番組で、安倍晋三首相に先週、新たな経済対策の検討を進言したことを明らかにした。

  高村氏は、国内の個人消費には弱い面があるものの、当面は予算の前倒し執行で対処できると述べた上で、「後半部分について当然それを補うものが必要になってくる」と述べた。山口氏は、5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で世界経済の持続的成長へ日本の貢献も問われると指摘。予算成立直後に安倍首相に「与党として新しい経済対策の考え方を検討していこうということを申し上げた」と語った。

  安倍首相は3月29日の16年度予算成立後の記者会見で、可能な限り予算を前倒し執行する方針を示したが、追加対策には言及していなかった。自民党の二階俊博総務会長はすでに、景気刺激策の断行を求める提言を安倍首相に提出。日銀のマイナス金利政策で実質的に「ゼロ金利」の状況を活用し、国債の追加発行を財源に1億総活躍社会の実現や地方創生、国土強靱(きょうじん)化を急ぐよう求めている。

  日本経済について高村氏は、アベノミクスで「金融政策はうまくいった」としながらも、成長戦略の「第3の矢は時間がかる」と述べた。来年4月の消費税引き上げについては、リーマン・ショックや大震災のような事態がない限り予定通り実施するとの安倍首相の方針に触れ、「少なくとも現時点でリーマンショックのほどのことにはなっていない」と語った。

  山口氏は、経済対策を大きく進めていけば「経済全体の底上げにもつながっていく」と述べ、「環境を整えて予定通り引き上げていくのが政府の取り組むべきことだと思う」として、経済対策による環境づくりの必要性を指摘した。

野党は批判

  野党の出演者からは政府・与党の経済政策運営に批判の声が上がった。民進党の岡田克也代表は「去年1年間どうして消費税を上げられるような状況を作り出し、構造改革を前に進めるということに注力しなかったのか、そこは完全に失敗している」と語った。共産党の志位和夫委員長は「予算成立の直後に追加対策を打ち出さなければならないこと自体に経済政策の行き詰まりを示している」と指摘、「アベノミクスは今や破綻がはっきした」と述べた。
 
  今夏の衆参同時選挙の可能性について高村氏は「解散権は総理の専権事項でありゼロではないが、大きいとは思っていない」とした上で、「ただ衆院議員はみな常在戦場で考えている」と述べた。岡田氏は「消費税の引き上げを延期して解散をするならば明らかな公約違反」と述べ、解散より首相の「辞任に値する」と語った。

  共同通信の報道によると、安倍首相は訪問先の米ワシントンで現地時間1日、同行記者団に対し、消費税は重大な事態が発生しない限り予定通り引き上げるとの方針を述べた上で、国際経済の状況を専門的見地から分析し政治判断で決定すべきだとの考えを示し、新たな経済対策はサミットでの議論を踏まえ具体的内容を判断すると述べたという。

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