【今週の債券】長期金利低下か、期初が「最初で最後の買い場」との声

  • 長期金利の予想レンジは全体でマイナス0.11%~0.01%
  • 日銀の超長期債の買い入れオペ結果が強くなるリスク-DIAM

今週の債券市場では長期金利が低下すると予想されている。日本銀行による長期国債買い入れオペで需給が引き締まりやすいことが背景。2016年度入りに伴う投資家からの益出し売り場面は、買いの好機になるとの見方が出ている。

  長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバーグが前週末に市場参加者4人から聞いた今週の予想レンジは、全体でマイナス0.11%~マイナス0.01%となった。前週末は一時マイナス0.03%と2週間ぶりの高水準を付けたが、その後は株安や日銀の長期国債買い入れオペの結果を受けてマイナス0.08%まで低下する場面があった。

  大和証券の山本徹チーフストラテジストは、「今期の運用収益を確保するためには、ある程度益出しに頼らざるを得ない。実際に、益出し売りにより、期初のスタートは若干の金利上昇で始まった。しかし、超需給相場であることに変わりなく、最初で最後の買い場と捉え早め早めに行動したい」と言う。

  日銀が3月末に発表した長期国債買い入れ運営方針では、4月の初回オペについて、残存期間1年超3年以下を前回より500億円減、10年超25年以下を200億円減とした一方、3年超5年以下と25年超を200億円ずつ増額する。超長期ゾーンは3月24日のオペで、10年超25年以下、25年超とも200億円ずつ減額され、4月以降もその水準が維持されるとの見方が出ていた。このため、25年超の増額を好感して、1日は新発30年債利回りが一時0.40%と過去最低を更新した。

  DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャーは、「日銀が発表した4月分の買い入れオペの予定で25年超の買い入れ額が増額されたことで、物不足の中で新たに日銀の超長期債の買い入れオペが強くなるリスクが意識されることになった」と指摘した。

10年債入札と流動性供給入札

  財務省は5日午前に10年利付国債の価格競争入札を実施する。前回342回債のリオープン発行となり、表面利率は年0.1%に据え置かれる見込み。発行予定額は前回債と同額の2兆4000億円程度となる。1日の入札前取引で10年物はマイナス0.065%付近で推移した。

  ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、10年債入札について、「マイナス利回りで迎えることになるかもしれないが、買い手がいないわけではない。日銀トレード見合いの買いがベースで埋まってしまうだろう」と話した。

  7日には流動性供給入札が予定されている。投資家需要の強い既発国債を追加発行する入札で、今回の対象銘柄は残存期間15.5年超から39年未満。発行予定額は前回の同年限の入札より1000億円増額の4000億円程度となる。

予想レンジと相場見通し

  市場参加者の今週の先物中心限月、新発10年物国債利回りの予想レンジと債券相場見通しのコメントは以下の通り。

*T
◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー
先物6月物=151円20銭-152円00銭
10年物国債利回り=マイナス0.11%~マイナス0.05%
  「今週の注目材料は、日銀の国債買い入れオペ。特に超長期ゾーンのオペが3月18日のように強めになるかどうかだ。10年債入札は無難な結果となることが予想されるが、流動性供給入札は物不足が意識される中で波乱の結果となるリスクがある。益出しの動きは想定されるものの、益出しそのものを急ぐ環境でなくなっているほか、超長期債のオペが強くなるリスクなどから、特に超長期債に金利の低下余地があるかもしれない」

◎三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループヘッド
先物6月物=151円15銭-151円80銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.10%~0.03%
  「期初の益出し売りと押し目買いが入り、需給のぶつかり合い。毎月勤労統計や消費動向調査などでマイナス金利導入後の個人消費動向に注目している。企業物価見通しは下がっていると思う。追加緩和後のセンチメントを見極めたい。10年債入札は、日銀トレード見合いの需要でしっかりの結果になるとみている。需給相場なので、ある程度は買わないと勝負にならない。波乱にはならないだろう」

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト
先物6月物=151円00銭-152円00銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.11%~マイナス0.01%
  「恒常的に市場が薄い状況下で値動きも大きいが、高値を抜けるような相場展開は予想しづらい。10年債入札に注目している。先週に利益確定売りを出した市場参加者から買い戻し需要も見込めそうだ。 超長期債の相場が強い中、10年債はマイナス利回りも仕方なしとの見方が定着しつつある。 日銀は年限ごとの需給を考えながら買いオペ運用方針で金額を調整した。今後も同様な年限調整あり得るが、全体で見た減額はこれ以上ない」

◎アムンディ・ジャパンの浜崎優市場経済調査部長
先物6月物=151円15銭-151円75銭
新発10年物国債利回り=マイナス0.10%~マイナス0.04%
  「方向性としては、金利の低下余地を試す展開とみている。先週末は株価が大幅安となった。企業短期経済観測調査(短観)が弱かったこともあるが、財政政策に加えて、追加金融緩和も狙った催促相場ではなかったかとみている。このところ米指標が良いので、6月利上げ観測が高まり、ドル高で日本株が押し上げられると、金利低下が抑制される可能性も出てくる。一方、マイナス金利が定着しており、10年入札は相場を動かすサプライズにはならないだろう」
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