三菱UFJ銀新頭取:米国トップ10入りも視野、地銀が買収対象に

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  • 「世界屈指の商銀」としてのステージ高める-M&Aに意欲
  • マイナス金利のインパクト大きい-17年3月期に「相応の影響」

三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下の三菱東京UFJ銀行の小山田隆頭取はブルームバーグとのインタビューで、国内に軸足を置きながら「世界屈指の商業銀行としてのステージを高めていく」と述べた。これを実現する手段として、海外金融機関の買収に意欲を示した。

  1日付で頭取に就任した小山田氏(60)は、買収先の関心国として「アメリカとアジア」を挙げた。米国は「マーケットが大きく着実に成長している」とする一方、中国経済の減速はあるがアジアでは「中間層がさらに増えていく」とし、これら地域では「チャンスがあればインオーガニック(買収)も考えていく」と述べた。

  MUFGは米地銀のユニオンバンクを傘下に持ち、アジアでは2013年にタイ大手のアユタヤ銀行を買収、フィリピンのセキュリティバンクにも20%出資している。日銀によるマイナス金利政策の導入などで以前にも増して国内事業の収益性が伸び悩む中、引き続きグローバルで成長機会を模索している。

  小山田氏は、平野信行前頭取(現MUFG社長)が掲げた「アメリカでトップ10入り」の目標達成も視野に入れ、買収するなら「相応規模の地銀が中心になる」と見通した。候補先リストは作成しているとしたものの「絞り込んでやっている感じではない」という。アジアではインドネシアに注目していると述べた。

  マネックス証券の大槻奈那チーフアナリストは、金融機関が収益を拡大していくには低金利で「今は逆風」の状況と指摘。上場企業として成長していくためには、三菱東京UFJ銀のように海外事業の拡大など「収益源を多様化していかざるを得ない」とみている。

マイナス金利の影響

  小山田氏は2月に日本銀行が導入したマイナス金利の収益への影響について「かなりのインパクト」と指摘。前期は限定的だが、17年3月通期では利ざや低下などで「相応の影響が出てくる。単年度で打ち返すにはハードルが高い」と語った。預金へのマイナス金利や手数料導入は個人・一般事業法人とも「考えていない」という。

  国債利回りは日銀のマイナス金利政策を受け、年限10年以下がマイナス圏に陥っている。小山田氏は大量保有する国債運用について「大きく増やしていく地合いではない」と指摘。今後の満期償還分については「外債投資に振り向けてウエ-トを高めていく」方針を示した。12月末時点の国債保有額は26兆5400億円。

持ち合い株、半年で1000億円売却にめど

  MUFGは市場動向に左右されにくい財務体質構築と企業統治(コーポレートガバナンス)強化の観点から株式持ち合いの解消を進めている。小山田氏は昨秋公表した今後5年で約8000億円とする削減目標について「掲げた以上はしっかりやっていく」と語った。3月末までの合意分を含め約1000億円の売却にめどがついていることを明らかにした。

  ●小山田隆(おやまだ・たかし)1955年11月2日生、60歳、東京都出身。79年東大経卒、同年旧三菱銀行入行、05年執行役員、総合企画室長、09年常務、企画部長、13年専務、営業第一本部長、14年6月副頭取、15年6月MUFG取締役副社長グループCOO、16年4月頭取。

  MUFGの4日の株価は前日比0.1%高の509.1円で取引を終了した。

(第5段落に専門家の見方を追加しました.)
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