日銀短観の物価見通し、1年後「0.8%上昇」-3四半期連続低下

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  • 3年後は1.1%上昇、5年後は1.2%上昇といずれも前回から鈍化
  • インフレ期待上昇させようとした日銀の試みは失敗と上野氏

日本銀行が集計した企業短期経済観測調査(短観)の「企業の物価見通し」は、1年後の平均値が0.8%上昇と昨年12月の前回調査(1.0%上昇)から低下した。3四半期連続で前回を下回った。

  調査対象の1万社以上のうち、1年後はゼロ%程度と回答した企業が35%と、1%程度上昇と回答した企業(29%)を上回り最も多かった。3年後の平均値は1.1%、5年後は1.2%といずれも前回(それぞれ1.3%上昇、1.4%上昇)を下回った。

  企業に自社の販売価格の見通しを聞いた質問でも、1年後が0.3%上昇、3年後が1.0%上昇、5年後が1.3%上昇と、いずれも前回(それぞれ0.5%上昇、1.3%上昇、1.6%上昇)を下回った。

  2月の生鮮食品を除くコア消費者物価(CPI)は2カ月連続で前年比横ばいとなった。日銀が物価の基調を見る上で重視しているエネルギーと生鮮食品を除く、いわゆる日銀版コアCPIは昨年12月に1.3%上昇となったが、その後は1、2月と続けて1.1%上昇の頭打ちとなっており、近く1%割れを予想する声も出ている。

  日銀は3月15日の金融政策決定会合で、予想物価上昇率について「このところ弱含んでいる」と下方修正したものの、「やや長い目でみれば全体として上昇しているとみられる」との判断は維持している。

  みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは企業の物価見通し発表後のリポートで、「日銀自身が調査している企業の物価全般の見通しの3年後と5年後の平均は調査開始以来、上昇したことが一度もない。大胆な金融緩和でインフレ期待を上昇させようとした日銀の試みが失敗したことは明らかだろう」としている。

(チャート、4段落以降の背景やコメントを追加します.)
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