米労働市場改善するも道半ば-ゆっくりとした利上げの論拠に

1日に発表された3月の米雇用統計では、これまで職に就くことを諦めていた人々が労働市場に戻り、その一部は当面、経済的な理由でパートタイム雇用に甘んじている実態が浮き彫りとなった。

  3月の非農業部門雇用者数は前月比21万5000人増えた。前月は24万5000人増だった。一方で、職探しに動いた人々が増加したことを背景に、失業率は5%と前月の4.9%から小幅上昇した。

  3月の雇用増は企業が米国の見通しに引き続き信頼感を抱いていることを示唆する。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は今週の講演で、金融当局が2016年の利上げペースの見通しを下方修正した要因として、世界的な景気減速や金融市場の動揺を挙げていた。

  他方で、正規雇用の増加にはまだ景気拡大の勢いが十分強くない点が今回の統計で明らかとなり、労働市場のさらなる改善を可能にするため、ゆっくりとしたペースでの金融引き締めを正当化する論拠が補強された形だ。

  米JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏は「人々の間に労働市場への信頼感が高まり、一層多くの人々が同市場に戻りつつある」と説明。ただ同時に、経済的な理由によりパートタイムで働いている米国人の数が増えていることは経済に依然、スラック(たるみ)がある点を示しているとし、ゆっくりとした引き締めを支持する陣営を「援護」するものだと語った。

 3月の労働参加率は63%と、14年3月以来の高水準となった。過去半年間では0.6ポイントの改善で、半年ベースでは1992年以来の伸び。労働参加率はベビーブーマーの引退によって抑えられているが、就職のチャンスが高まったと考える米国人が増えることで、改善持続の余地がある。昨年9月には62.4%と40年ぶりの低水準に落ち込んでいた。 

原題:Jobs Report Gives Yellen Only Half of What Fed Chair Wants (1)(抜粋)

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