鴻海とシャープが買収契約に調印、郭会長は課題「甘く見ず」

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  • 早期に収益改善図る、3月31日に保証金1000億円支払い-郭会長
  • シャープの大阪本社ビルを買い戻したい-鴻海副総裁

台湾の鴻海精密工業シャープは2日、大阪府堺市内で買収契約に調印した。シャープの100年以上にわたる独立経営に終止符が打たれ、外資の下で再建を図ることになった。

  約300人の記者らの前で行われた調印式では、鴻海の郭台銘(テリー・ゴウ)会長を中心に、高橋興三シャープ社長と鴻海の戴正呉副総裁の3人が笑顔で握手した。

Terry Guo, Tai Jeng-wu and Kozo Takahashi at a press conference on April 2

Source: STR/AFP/Getty Images

  これを受けた記者会見で高橋社長は「この合意は事業拡大と財務体質の改善に寄与」すると述べた上で、シャープのブランド、雇用、企業としての一体性は維持されると語った。鴻海の郭会長は「シャープが技術のイノベーター、リーダーとして果たしてきた役割を尊敬する」と話し、今後、次世代の液晶技術や有機ELなどに投資することで早期に収支改善を図りたいとした。ただ、「この戦略投資の課題を甘く見ることはない」とし、再建計画の詳細については明らかにしなかった。

  また、鴻海の戴副総裁は会見で、シャープの大阪本社を来期に買い戻したいと語った。シャープは経営再建の一環で昨年9月に、本社ビルをニトリに売却すると発表していた。

  鴻海によるシャープの買収案は、出資額を当初の予定から約1000億円減額することで決着した。シャープは鴻海の傘下となり、携帯電話の画面に使われる有機ELなどに投資して再建を図る。買収は2月にシャープが受け入れを決めたにもかかわらず、鴻海側が要請した「新たな重大情報」の精査のため正式契約が1カ月以上、延期された。シャープの取締役会では、2人が買収に反対した。

  3月30日の発表によると、鴻海はシャープが第三者割当で発行する新株を総額約3888億円で取得し、全体の66%を保有する筆頭株主となる。新株のうち普通株の発行価格は1株88円。2月の発表時点では総額4890億円だったが、負債となる恐れのある潜在的リスクの評価を含む経営状況を考慮して減額した。郭会長は会見で出資額を減らすことはないと言明した。

  また、郭会長は会見で、3月31日に保証金として1000億円を支払ったことを明らかにした。これについて高橋社長は「成長分野に優先投資し、運転資金に使うことは避けたい」と話した。

(第2段落に調印式の模様、第4段落に鴻海副総裁の発言を追加.)
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