米国株(1日):上昇、景気への楽観強まる-原油安は影響せず

更新日時
  • 製造業と雇用の指標は成長が持ちこたえていることを示唆
  • 原油価格は下落、供給が高水準にとどまるとの懸念で

1日の米国株式相場は上昇。年初来高値を更新した。景気への楽観や米利上げが緩やかなペースになるとの期待が背景。原油価格が下げたものの、株式相場への影響は限定的だった。

  雇用や製造業指標で成長が堅調に進んでいる兆しが示されたことから、相場は原油の値下がりをきっかけとした朝方の下落から反転した。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は今週の講演で、世界経済の影響でリスクが高まっているため、利上げを「慎重に進める」ことは適切だと指摘した。

  S&P500種株価指数は前日比0.6%高の2072.78で終了。終値ベースで今年の最高値となり、年初からは1.4%上昇。ダウ工業株30種平均は前日比107.66ドル(0.6%)高の17792.75ドルで終え、昨年12月4日以来の高値。一時は117ドル下落する場面もあった。ナスダック総合指数は0.9%上昇し、年初来の高値。

  ジョーンズトレーディング・インスティテューショナル・サービシズのグローバル市場ストラテジスト、ユーセフ・アッバシ氏は「米金融当局は超ハト派で、雇用統計はトレンドと整合的だ」と指摘。「ハト派的な姿勢が示された後、雇用統計のあらゆる項目が予想を上回るという矛盾が生じたため、統計発表直後に売られたが、良好な経済指標と金融当局は市場に対して非常に優しい組み合わせだということを市場は認識しつつある。金融当局は国内見通しよりも世界の見通しを懸念しているようだ」と述べた。

  米供給管理協会(ISM)が発表した3月の製造業総合景況指数は7カ月ぶりに拡大を示す水準に上昇した。これより先に発表された雇用統計では雇用者数と平均時給の伸びが市場予想を上回った。一方、労働力人口に復帰した人が増えたことを背景に、失業率は上昇した。

  労働市場の状況が一段と引き締まり、賃金の大幅な伸びが誘発されれば、米金融当局者は米経済が海外の弱さから影響を受けていないと確信する可能性がある。

  金利先物市場が織り込む4月の利上げ確率はゼロ。6月の確率は24%と、雇用統計発表前の20%から上昇した。1週間前は38%だった。利上げ確率が50%を超えているのは11月以降となっている。統計発表前は12月だった。

  第2四半期(4-6月)が始まったのに伴い、企業決算に市場の注目は移る見通し。アルコアは11日に第1四半期(1-3月)の業績を発表する。アナリスト予想によれば、S&P500種構成企業の第1四半期利益は9.5%減。2カ月前は4.5%減と見込まれていた。

  S&P500種の業種別10指数ではこの日、先月の上昇率トップだったエネルギー株が売られ、3月に出遅れていたヘルスケア株が買われた。

  医薬品開発株にけん引され、ヘルスケア株は上昇。ナスダック・バイオテクノロジー指数は2.9%高と1カ月ぶりの大幅上昇。アムジェンは2.8%、ファイザーは1.4%いずれも値上がりした。

  銀行株指数も高い。シティグループとJPモルガン・チェースが上昇した。ゴールドマン・サックス・グループは1.8%高と、昨年11月以来最長の5営業日続伸。

  ニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が4%下落。シェブロンは1.2%安。トランスオーシャンやマラソン・オイルも値下がりした。

  フォード・モーターとゼネラル・モーターズ(GM)が下落したほか、フィアット・クライスラーも安い。自動車各社が発表した3月の販売統計によれば、米3社の伸びはアナリスト予想をいずれも下回った。

原題:U.S. Stocks Rally as Optimism on Economy Overshadows Oil Retreat (抜粋)

(第5段落以降を追加し、更新します.)
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