ヘッジファンドのモメンタム投資リターン、2009年以降で最悪

  • マーケット・ニュートラル戦略の四半期下落率は12年以来の大きさ
  • 1-3月は空売りの多い銘柄が値上がり、戦略は裏目に

ヘッジファンドに最も人気のある投資手法の1つが行き詰まっている。

  それはモメンタム投資だ。モメンタム投資は「勢い」に注目して投資する手法で、クオンツ運用のヘッジファンドで大きな部分を占める「マーケット・ニュートラル」というカテゴリーに入る。モメンタム投資は2015年に記録的な利益を上げたが、今年1-3月は過去6年間で最悪の四半期になった。モメンタムの不振が響きマーケット・ニュートラル全体も年初来の下落率が2012年以降で最大となった。

  モメンタム投資の戦術は深遠かもしれないが、損失を生じさせた力が何かを理解するのは難しくない。一本調子に上げてきたことがここ数年間に人気化した理由だった銘柄を、投資家が嫌い始めたことだ。モメンタム戦略のファンドは軟調だった銘柄を空売りしていたことで特に大きな打撃を受けた。こうした銘柄こそが1-3月に最も堅調だったからだ。

  アルファ・セオリー・アドバイザーズのベンジャミン・ダン社長は「昨年の市場でモメンタムは際立って圧倒的な要因だった。私自身のキャリアを振り返ってみても、これほどそうだったことは思い出せない。マーケット・ニュートラル戦略がこのように好調な時は、裏目に出た場合の損失が大きくなる」と述べた。

  2015年に株価が3.5倍になりモメンタム投資が集中した米バイオ医薬品会社アナコール・ファーマシューティカルズは、今年に入り53%安と急落。米ゲームソフト最大手のアクティビジョン・ブリザードは15年に92%上昇し、12月31日にバリュエーションが約6年ぶりの高水準に達したが、それ以降は13%安と振るわず、四半期としては10年4-6月以来で最悪となった。米通信会社J2グローバル・コミュニケーションズ、製油会社テソロ、オンライン旅行サービス会社エクスペディアも軟化した。

  同時に、モメンタムの弱い銘柄を空売りする戦略は裏目に出た。空売りの多い銘柄で構成する指数は3月に11%上昇。指数構成銘柄の中で8番目に空売りの多い二輪車のメーカーのハーレー・ダビッドソンは1-3月に13%上昇した。

  モメンタムの強い上位200銘柄をロング、弱い200銘柄をショートした場合のリターンに連動するダウ・ジョーンズの指数は今年1-3月に8.1%低下し、09年以降で最悪のパフォーマンスだった。
  

原題:Hedge Fund Momentum Trade Blows Up With Losses Worst Since 2009(抜粋)

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