桜井日銀委員:政策は乱発すべきでないが、やるべき時はきちっとやる

  • 「それほど早急な判断せず落ち着いて慎重に判断していけばいい」
  • 「これからも知恵を絞って新たな政策手段を開発すべきだろう」

日本銀行の桜井真審議委員は1日夕、就任会見で、追加緩和について「金融政策はそれほど乱発すべきものでない」としながらも、「やる時はきちっとやるべきだろう」と述べた。

  桜井委員は「景気の下振れリスクが高まっていることは事実」としながらも、「日本の経済指標は結構良いもの、悪いものが混じった状態だ」と指摘。「それほど早急な判断をするのではなく、少し落ち着いて、慎重にものを見て判断していけばいいのではないか」と語った。日銀は27、28両日、金融政策決定会合を開くが、一部で追加緩和観測がくすぶっている。

  政策手段については「政策当局として一番重要なのは政策手段を多く持ち、たくさん開発しておくことだ」と指摘。「政策手段が多ければ多いほど目標は達成しやすい。これからも知恵を絞って新たな政策手段を開発すべきだろう」と語った。

  日銀が1月に導入を決定したマイナス金利については「イールドカーブが随分早く下がった。意外なくらいに効いている」とした上で、実体経済に好影響を及ぼすには「ある程度時間がかかる」と語った。国債の買い入れについては「限界はまだまだ先の話だろう。日本の国債は短期から長期までいろいろとあるので、まだまだ余裕があるだろう」と述べた。

円はそれほど高くはないが

  為替相場については「為替は金融政策の目標にはなっていない。ただ、結果として円高是正になった」と指摘した。足元の円相場については「12年前半は1ドル=80円というのはいくら何でも高すぎるだろう。今の状況はまあ、それほどすごく高いというほどでもないような感じがする」と語った。

  一方で、「1月からわずか3カ月で7円、8円と上がってきたので、これはちょっと難しい。短期の変動はどうしてもオーバーシュートするのである程度仕方ない面もあるが、金融政策を考えれば、中長期でどれくらい安定してファンダメンタルズを反映するレートになっているかどうかが一番重要な判断の基準だろう」と述べた。

  午後7時22分現在のドル・円相場は112円28銭付近で推移している。

  同日発表された企業短期経済観測調査(短観)については「確かに悪化しているのは事実」としながらも、「設備投資はそれほど悪くなってない」と指摘。良い経済指標もあり、「そう悲観することもない」と語った。

  一方で、2017年4月に予定されている消費増税については「消費が弱くなっているのは事実」とした上で、「景気の下振れリスクが高いときは、やはりかなりハードルは高いのではないか」と述べた。

物価目標は60%くらいは達成

  桜井委員は白井さゆり氏の後任。任期は5年。1970年中央大学経済学部卒の桜井氏は76年に日本輸出入銀行に入行、旧大蔵省(現財務省)財政金融研究所特別研究員や旧経済企画庁(現内閣府)経済研究所客員研究員を歴任した。三井海上投資顧問取締役を経て2007年からサクライ・アソシエイト国際金融研究センター代表。

  会見で抱負を聞かれ、「景気は半年前に比べ、世界経済全体の成長減速に直面しているので、下振れリスクはやや高くなっている」と指摘。このような時期に審議委員に就任することになり、「大変責任重要で、身を引き締めて仕事をやっていきたい」と述べた。日銀が掲げる2%の物価目標については、原油価格の大幅な下落を考慮すれば、「だいたい物価目標の60%くらい達成しているのではないか」と述べた。

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