GPIFの高橋新理事長:収益の「短期的な変動は避けられない」

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の理事長に1日付で就任した高橋則広氏は午後の会見で、収益の「短期的な変動は避けられない」としながらも、現在の資産構成目標に基づく分散投資で長期的には「相応のリターンを得られる」との見解を示した。

  高橋氏は1980年に農林中央金庫に入庫し、2005年に債券投資部長、07年に常務理事、11年に専務理事に就任。昨年6月に退任し、JA三井リースの代表取締役兼社長執行役員を務めていた。6年間の任期中にGPIFの資産構成の抜本的な見直しを実現した三谷隆博前理事長は3月31日付で退任した。

  投資環境について高橋氏は会見で、特に最近は「経済のファンダメンタルズからかけ離れても、価格がさらに動いていく」事例が多く、「抑えるのは難しい」と指摘。それでも「うまく分散投資で運用商品を組み合わせ、長期的な観点に立って適切なリスク管理をすれば、安全でかつ効率的な運用ができる」と述べた。

  GPIFは厚生年金と国民年金の運用資産139.8兆円を抱える世界最大の年金基金。第2次安倍晋三内閣がデフレ脱却と経済活性化を掲げる中、14年10月末に資産構成を大幅に変更。国内債の目標値を従来の水準から半分近くに引き下げた一方、内外株式や外国債券を引き上げた。

  年金特会の約2.1兆円を含めた積立金全体に占める国内債の割合は昨年末に37.76%と最低。国内株23.35%と外国債券13.50%は過去2番目の高水準になっている。外国株式は22.82%と最高を記録した。ただ、昨年央から秋口にかけてと年初来に生じた世界的な市場の混乱に伴い、株安・円高でリスク資産の評価額が急減した。

  高橋氏は会見で、GPIFの組織改革を支持する意向を示し、運用委員会や投資委員会はすでに「実質的に合議制に近い形で運営されていると認識している」と述べた。着任後には、職員に対し「真っ先に言ったのは組織内のコミュニケーションだ」と述べたことを明らかにし、「国民から信頼される組織にならなくてはならない」と語った。

  塩崎恭久厚生労働相はGPIFの運用見直しとガバナンス(組織統治)改革を「車の両輪」と位置づけ、社会保障審議会の年金部会などを舞台に議論を推進。GPIFを理事長の独任制から複数理事による合議制に改組するなどの改革案を先月まとめた。政府は先月11日に年金改革関連法案を閣議決定した。国会での審議を経て、来年10月の施行を目指す。高橋氏は新体制で最初の理事長になる可能性がある。

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