円全面高、日銀短観悪化受けた株急落でリスク回避-対ドル112円前半

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  • 日経平均は一時600円超え、円は112円06銭まで上昇
  • 4月の日銀緩和や新年度の対外投資でドル・円上昇見込み-RBS

1日の東京外国為替市場では円が全面高。対ドルでは1ドル=112円台前半を中心に推移した。日本銀行の企業短期経済観測調査(短観)の悪化を受けた株価の大幅下落を背景に、リスク回避に伴う円買い圧力が優勢だった。

  午後3時14分現在のドル・円相場は112円26銭付近。円は朝方に付けた112円58銭から、一時112円06銭と2日ぶりの水準まで値を切り上げている。円は主要16通貨全てに対して前日終値比で上昇。東京株式相場は急落しており、日経平均株価の下げ幅は一時600円を超えている。

  ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)の平野淳外国為替営業部長は、「ドル・円は日経平均が下落したことに連れて軟調」と指摘した上で、向こう1~2週間については、「イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言後のドル売り圧力から、111円50銭~113円50銭での値固めが続く」と述べた。ただ、「4月の日銀会合で緩和が行われれば、新年度の国内勢からの対外投資もあり、ドル・円相場は徐々に上昇していく可能性がある」とみている。

  日銀が発表した3月調査の短観では、大企業・製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)がプラス6と昨年12月の前回調査から6ポイント悪化。非製造業DIもプラス22と3ポイント悪化した。16年度の想定為替レートは1ドル=117円46銭で、上期117円45銭、下期117円46銭。

  みずほ証券投資情報部の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、日銀短観で全体的に業況判断が現状と先行きともに悪化したことに加え、「想定為替レートが足元の実勢よりも5円以上円安になっていることで、業績計画等が今後またさらに下振れる可能性がある」と説明。「短観を受けた株安からのリスクオフの円買いで目先は反応している」と話した。

  鈴木氏は、「短観は現状・先行きともに全てが悪く、10-12月の国内総生産もマイナス、消費者物価指数も低位ということで、株安・円高になっている状況で、日銀に早い段階での行動を促す一つの要因になってくる可能性がある」と指摘。国内でマイナス金利の環境の下、新年度入り後の海外証券投資需要がドル・円相場の下支えになるとみる。

  中国国家統計局と中国物流購買連合会が発表した3月の製造業購買担当者指数(PMI)は50.2と前月の49.0から上昇し、8カ月ぶりに活動の拡大を示した。市場予想は49.4だった。また同月の非製造業PMIは53.8と、前月の52.7から上昇した。

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