【日本株週間展望】軟調、業績不透明感と円高警戒-株価割安感下支え

  • 短観で景況感の悪化を確認、米早期利上げ観測の後退で円高も警戒
  • 株価の割安感や補正予算など政策期待が相場を下支えする

4月1週(4-8日)の日本株は軟調な展開が予想される。2016年度入りしたことで企業業績に対する不透明感が意識される上、為替の円高に対する警戒も根強く、積極的な買いは限定されそう。一方で、バリュエーションの低さや政策期待が下値を支えそうだ。

  決算期末を通過し、企業業績の動向が市場の焦点となりつつある。日本銀行の企業短期経済観測調査(短観)では、大企業製造業の16年度の想定為替が1ドル=117円46銭と足元の水準から5円程度の円安ながら、大企業全産業で経常2%減益の見込み。大和証券のアナリスト業績予想修正(4週合計)によると、16年度は業種別でプラスは建設不動産が目立つ程度で、金融や加工組立、資源卸売、素材、消費サービスはマイナス。円高や世界経済の停滞から実績は下振れの可能性があることに加え、慎重な新年度会社計画に対する懸念も強い。

  中期的な円高に対する警戒も払しょくされていない。世界経済の状況を鑑みて利上げを「慎重に進める」ことが正当化されると、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が3月29日に発言。同発言後はドル安圧力がかかりやすくなっている。1週は5日に3月の米供給管理協会(ISM)非製造業景況指数(市場予想は54.0へ改善見込み)、6日に米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が予定されているが、利上げは難しいとの市場の見方に大きな変化は起こらないと想定される。

  3月第5週の日経平均株価は週間で4.9%安の1万6164円16銭と2週ぶりに下落、週間下落率は2月2週(11%)以来の大きさ。円高や商品市況安が響いた上、名実ともに新年度入りとなった1日は景況感悪化の確認や期末需給の反動も加わって大幅安となった。一方、野村証券によると、日経平均の予想株価収益率(PER)はアベノミクス以降に13-16倍で推移しており、同証予想1株利益1300円程度から試算して売られ過ぎ感が強まっている。サミットや参院選を控えて補正予算や消費増税先送りへの期待も根強く、一方的に下値を売りにくいとみられる。

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≪市場関係者の見方≫
●三井住友アセットマネジメントの石山仁チーフストラテジスト
  株価が下げやすい環境が続きそうだ。日本の景気ウオッチャー調査は引き続き悪いとみられ、FOMC議事録でも利上げが難しいという流れが変わるとは思えない。トレンドを決める要因は為替と原油だが、円安に向かうカタリストがない中で、アベノミクスへの信頼感が低下し、金融緩和の効果がゼロ、業績下振れ可能性となれば、海外投資家が日本株への投資を一度見直そうという流れが起きても不思議ではない。米国の景況感が悪くて円高なら株安、逆に景況感が良くて利上げ期待が高まれば、為替は円安となっても、ドル高が嫌気された米国株安の方がむしろ響いて日本株は下落する恐れがある。

●アストマックス投信投資顧問の山田拓也シニアファンドマネジャー
  日銀短観を受けた日本株の大幅安は海外投資家にとって印象が悪く、従来の慎重なスタンスがさらに強まる恐れがある。大企業製造業の想定為替から輸出企業中心に業績は期待しにくい。市場センチメントが悪化する中、パナソニックのような慎重な業績計画がネガティブに捉えられる悪循環。米国株は年初来高値更新でいったん底上げが完了し、日柄調整へ。日経平均は一時的に1万5000円台半ばまで下げる可能性もある。

●コモンズ投信の糸島孝俊チーフポートフォリオマネジャー
  日米欧の金融政策会合に向けて下値を試す展開になりそう。消費増税の先送りは既に株価に織り込まれた。ここからは補正予算案を提示できるか政府要人のコメント待ち。米製造業受注や日本の景気ウオッチャー調査など経済指標の発表はあるが、大きな材料ではなく買いのきっかけにならない。半面、日経平均1万6000円以下では世界株の中での日本株の割安さに焦点が当たり、公的年金を含めた機関投資家から押し目買いが入る。
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