債券相場は上昇。2016年度入りで投資家からの益出しが強まるとの懸念で売りが先行した後、株式相場の大幅安に加え、日本銀行の長期国債買い入れオペで需給が徐々に改善するとの見方から買いが優勢に転じた。

  1日の長期国債先物市場で中心限月6月物は、前日比19銭高の151円49銭で取引を開始。151円50銭を付けた後は下げに転じ、28銭安の151円02銭まで下落した。午後の取引開始後に水準を切り上げ、一時151円66銭まで上昇した。結局は18銭高の151円48銭で引けた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の342回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より1ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.04%で開始し、いったんマイナス0.03%と3月16日以来の水準まで上昇した。午後は低下に転じ、マイナス0.08%まで低下し、その後はマイナス0.07%で推移した。新発20年物の156回債利回りは3bp低い0.41%で開始し、午後は0.36%まで低下した。新発30年物の50回債利回りは0.40%と過去最低を更新した。

  DIAMアセット・マネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャーは、「期初の益出しが警戒されていた中で、午前中はその動きが先行した。しかし、昨日、日銀が発表した4月分の買い入れオペの方針で25年超の買い入れ額が増加したことで、超長期債の買い入れが強めになるリスクが意識されることになった。今日の5年超10年以下のオペで思ったよりも売りが出てこなかったことも、益出しへの警戒感を緩和させた。株の大幅な下落も後押ししている」と語った。

  日銀が実施した今月1回目の長期国債買い入れオペ(総額5200億円)の結果によると、残存期間「5年超10年以下」の応札倍率は2.84倍と前回の3.89倍から低下した。一方、「1年以下」は6.62倍と前回の4.14倍から上昇した。

  三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループヘッドは、朝方に売られたのは益出しへの警戒感があったためだと指摘。「日銀買いオペで吸い上げられるので、需給的に物がないので、しっかり。日銀が買うスタンスだけははっきりしている。株価が下がると債券を買わざるを得ない」と話した。

  日銀が前日発表した当面の長期国債買い入れオペの運営方針では、4月の初回オペの買い入れ額について、残存期間「1年超3年以下」と「10年超25年以下」を減額する一方で、「3年超5年以下」と「25年超」を増額した。

  ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、オペ運営方針について、「25年超のゾーンにとってはサポート」と指摘。「30年債主導で金利低下圧力が掛かりやすい。目先は超長期債はフラットニングの余地を試すのではないか」と話した。

日銀短観

  日銀が午前に発表した3月調査の企業短期経済観測調査(短観)では業況判断指数が2期ぶりに悪化した。大企業・製造業の業況判断DIはプラス6と、市場予想のプラス8を下回り、前回12月調査から6ポイント悪化した。

  JPモルガン証券の菅野雅明チーフエコノミストは、「全般的に短観は弱めだったが、日銀がすぐに金融政策を変更するには力不足。1月に導入したマイナス金利政策の影響を時間をかけて見極めたいとのスタンス」と述べた。
  
  この日の東京株式相場は大幅安。日経平均株価は前日比3.6%安の1万6164円16銭で取引を終えた。一時は600円を超す下げ幅となる場面があった。日銀短観の悪化に加えて、為替市場での根強い円高警戒感から景気や企業業績の先行きに対する懸念が強まった。

  SMBCフレンド証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは、「株価が短観に素直に反応しており、先行きに光を感じられるものがあまりなかったということだ。特に大企業は先行き良くなると見ている業種が少ないのが心配だ」と述べた。

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