クレジットサイクルが急速に悪化しつつある状況を疑う人がいるなら、世界最大の米社債市場でデフォルト(債務不履行)の数字が上昇している様子を見るといい。

  フィッチ・レーティングスによれば、米国のジャンク(投機的格付け)債のうち今年は900億ドル(約10兆円)相当がデフォルトに陥ると予想される。これは先の金融危機以降では、最も大規模だ。社債市場の窮状の深刻さは、大手格付け会社のアナリストを含め多くの人々を仰天させ、アナリストらはデフォルトの見通しを増加方向に修正した。

  米連邦準備制度の緩和的な金融政策がリスクの高い米債の購入を促し、リスクに見合う十分な補償がない事実が時に無視される浮ついた状態が何年も続いた後、デフォルトの拡大が予想される今の状況は、投資家を冷酷な現実に目覚めさせる。また、より投機的な資産に運用担当者を駆り立てようと中央銀行が全力を挙げている欧州にも、同時に警告を発することになるだろう。

  米国の高利回り債市場が2009年末以降66%拡大し、約1兆4000億ドル規模に達していることもあって、デフォルト率が同年のピークをなお大きく下回っていることは朗報だ。

  しかし、今後1、2年でさらにデフォルトがどれだけ多く発生するかはっきりせず、基金からヘッジファンド、投資信託の投資口を購入する一般家庭の投資家に至るまで、ありとあらゆる種類の投資家が痛みを感じていることは、悪い知らせだ。ブルームバーグが最新の届け出資料をまとめたところでは、約10億ドルの負債を抱え、連邦破産法11条に基づく会社更生手続きの適用を申請した石油掘削リグメーカー、パラゴン・オフショアが発行した社債の大口保有者には、米資産運用会社ルーミス・セイレスやアライアンス・バーンスタインも含まれている。

  今後さらに痛みが待っているのは、かなりはっきりしている。今がデフォルト局面の終わりなのか、中盤なのか、始まりにすぎないと考えるべきか、ただそれが分からないだけだ。

  (このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピーの意見を反映するものではありません)

原題:A $90 Billion Default Flood That May Not Be Cresting: Gadfly(抜粋)

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