米金融当局の政策、海外情勢重視が鮮明に-イエレン議長講演で裏付け

米金融当局の政策運営姿勢を左右するのは米国内の統計だけではないことが、極めて鮮明となっている。米国のインフレや雇用の見通しをめぐる金融当局者の評価には、世界の経済統計や金融市場の動揺も影響を及ぼす。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は29日、ニューヨークのエコノミッククラブで行った講演で、金融当局が市場や国際的なデータ類を重視している点を強調した。ドイツ銀行の国際チーフエコノミスト、トルステン・スローク氏は、米金融当局がどれほど海外情勢を懸念しているかを示すチャートを作成した。

  スローク氏は「米金融当局の政策策定で海外情勢の重要性が一段と高まっているのは明らかだ」と指摘した上で、「それが適切な戦略かどうかは時間がたてば分かるだろう」と記した。

  米金融当局が世界経済の不振を強調したことに対しリスク資産は前向きな反応を示し、イエレン議長の発言内容が伝わると、インフレ期待をめぐる市場ベースの指標や株価、商品相場はいずれも上向いた。

  バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのハイグレード・クレジット戦略責任者、ハンス・ミッケルセン氏は「米金融当局がよりハト派的なスタンスにはっきりと転換したことが、金融市場の不透明感を減らすのにとても効果的である理由を示すには、米国のクレジット投資家を対象に当社が最近実施した調査を考察すればよい」と話す。

  ミッケルセン氏は「中国、原油相場、地政学的リスク、緩慢な回復という投資家の懸念材料の上位4つ全てではないとしても、少なくとも3つは金融当局がハト派姿勢に傾斜したことで幾分緩和された」と説明した。

  イエレン議長は「今年の海外の経済成長は以前の予想よりも弱くなる公算が大きいとみられる」と語った。ルネサンス・マクロ・リサーチの米経済担当責任者、ニール・ダッタ氏も「データは世界情勢をめぐるイエレン議長の懸念を裏付けている」と論じた。

原題:This Chart Shows Just How Worried Janet Yellen Is About the Global Economy(抜粋)

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