ドル・円は112円台、四半期で09年来の大幅安へ-米利上げ見通し後退

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  • 午前に112円66銭を付けた後、午後には112円15銭まで下げる場面も
  • 4-6月期も「基本的にはドル安・円高」-三菱東京UFJ銀内田氏

31日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=112円台で推移。年度末に絡んだ取引が中心だった一方、米国の追加利上げ見通しの後退を背景にドルの上値が重い展開となった。

  午後3時55分現在のドル・円相場は112円42銭前後。公表仲値が設定される午前10時前には112円66銭まで値を切り上げる場面が見られたが、午後にかけては112円15銭までじり安となった。前日はイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演がハト派寄りの内容だったことを受け、一時112円02銭と22日以来の水準までドル安・円高が進んだ。四半期ベースでは6.6%安となっており、このまま期末を終えれば2009年7-9月期(6.9%安)以来の大幅安となる。  

  三菱東京UFJ銀行市場企画部グローバルマーケットリサーチの内田稔チーフアナリストは、イエレン議長は米経済指標だけでなく世界情勢やドル相場などを見ながら利上げを慎重に進める姿勢で、実際に「年内2回も難しいのではないか」と予想。一方、日本では新年度の対外証券投資が注目されているが、経常黒字の円高圧力がある中でそれほど円安にいくようなフローは見込みにくく、4-6月期も「基本的にはドル安・円高」で110円割れのリスクがあると語った。

  米国では4月1日に3月の雇用統計と供給管理協会(ISM)製造業景況指数が発表される。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、31日発表の3月のシカゴ製造業景況指数は50.7と2月の47.6から改善する見込み。米新規失業保険申請件数は前週と同じ26万5000件が予想されている。

  外為どっとコム総合研究所の石川久美子研究員は、「米雇用統計を前に手控えムードとなっており、トレンドは出にくい」と指摘。もっとも、「単月の米雇用統計だけで、金融政策への見方が早まったり、遅まったりしにくい」とし、よほど大きく市場予想から乖離しない限り、相場への影響は限られると予想している。

  一方、日本では日本銀行の企業短期経済観測調査(短観、3月調査)が公表される。エコノミスト調査によると、大企業・製造業の状況判断指数(DI)はプラス8と12月の前回調査のプラス12から悪化が見込まれている。

  三菱東京UFJ銀の内田氏は、「短観がさえなければ、日銀の追加緩和観測は出るだろうが、それで円安・株高期待が盛り上がるかというと、日銀の緩和イコール円安という方程式はもう神通力を失った可能性が高い」と指摘。むしろ、販売価格DIや4日に公表される企業の物価見通しが悪化していれば、インフレ期待の低下を招き、予想実質金利の上昇による円高圧力につながると語った。

  ユーロ・円相場は1ユーロ=127円台半ばから一時126円97銭までユーロ売り・円買いが進み、同時刻現在は127円35銭前後。ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.1340ドル前後から一時1.1310ドルまで弱含んだ。ドイツの2月の小売売上高指数は前月比0.4%低下し、エコノミスト予想(同0.4%上昇)を下回った。

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