3月30日の海外株式・債券・為替・商品市場

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欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドルが下落-米利上げペースがさらに遅くなるとの観測で

30日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下落。対ユーロでは5 カ月ぶり安値となった。米金融当局が世界経済の減速による向かい風を 考慮し、より遅いペースで利上げを進めるとの観測が広がった。

ドル指数はこのままいけば四半期ベースでは2010年以降で最大の下 げとなる。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は29日、金 融当局が利上げを「慎重に進める」ことは適切だと指摘した。ドルは3 月に入り、主要31通貨全てに対して下落。ロシア・ルーブルやブラジ ル・レアルが特に対ドルで値上がりしており、新興市場通貨は月間ベー スで18年ぶりの大幅高の勢いとなっている。

BNPパリバの為替戦略担当グローバル責任者、スティーブン・セ イウェル氏(ロンドン在勤)は「ドルは過大評価されている。ユーロや 円といった主要通貨に対しては特にそうだ」と指摘。「ユーロは対ドル で上昇が続くだろう」と述べた。BNPはドルが今月末までに1ユーロ =1.14ドル、6月末には1.16ドルに下落すると予想している。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルはユーロに対し前日比0.4% 安の1ユーロ=1.1338ドル。終値ベースで昨年10月21日以来の安値とな った。対円では0.2%下げて1ドル=112円43銭。

主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポ ット指数は0.4%低下。今四半期はこれまで約4%低下と、2010年7- 9月(第3四半期)以降で最大の下げとなっている。

ブルームバーグのドル指数は過去3日間の下落で、先週1週間の上 昇分を消してさらに下げた。先週はセントルイス連銀のブラード総裁や サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が、4月にも利上げが実施さ れる可能性があるとの認識を示していた。

イエレンFRB議長の29日の講演以降、先物トレーダーらが織り込 む4月の利上げ確率はゼロに低下。6月利上げの確率も、1週間前 の46%から20%に下げている。この算出は、次の利上げ後に実効フェデ ラルファンド(FF)金利が新しい目標レンジの中央になるとの仮定に 基づく。

給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが この日発表した給与名簿に基づく集計調査によると、3月の米民間部門 の雇用者数は20万人増加した。

バンク・オブ・ノバスコシアのチーフ為替ストラテジスト、ショー ン・オズボーン氏は「今年に入って以降のドルは総じて守勢に立たされ ている」と指摘。「ドルが明るい数字に反応するためのハードルは極め て高くなっている」と続けた。

原題:Dollar Falls to Five-Month Low on Slower Fed Rate Path Outlook(抜粋)

◎米国株:連日の年初来高値更新、FRB議長のハト派発言をなお好感

30日の米株式相場は続伸。年初来高値を連日で更新した。米金融当 局からこの日も、楽観をあおる発言が続いた。前日に米連邦準備制度理 事会(FRB)のイエレン議長が世界経済のリスク上昇を理由に利上げ に慎重になると示唆したことが、引き続き買いを誘った。

S&P500種株価指数は3日続伸。ドルはこのままいけば月間 で2010年以来の大幅安となる。アップルが3カ月ぶり高値を付け、ハイ テク株を押し上げた。銀行株は6日ぶりに上昇。

S&P500種株価指数は前日比0.4%上げて2063.95で終了。年初来 の上昇率は1%となった。ダウ工業株30種平均は前日比83.55ドル (0.5%)高の17716.66ドルで終えた。ナスダック総合指数は0.5%高。 今年に入って初めて200日移動平均を上回って終えた。

ナショナル・ペン・インベスターズ・トラスト(ペンシルベニア州 ワイオミッシング)のシニア株式運用者、テリー・モリス氏は「イエレ ン議長の発言を受けた前日の強さを引き継いだ格好だ。議長はそれまで のタカ派色を完全に拭い去り、市場が望む完全なハト派姿勢となった。 市場もそれに反応した」と述べた。

S&P500種は2月11日に付けた1年10カ月ぶりの安値から13%近 く戻している。原油相場が12年ぶり安値から戻したことに加え、日米欧 の金融政策当局者が景気刺激を続ける考えを示唆し、世界的な景気減速 への懸念が抑えられたことが背景にある。3月はこれまでのとこ ろ6.8%上昇しており、昨年10月以来の大幅高となっている。

イエレン議長の発言を受け、金利先物市場が織り込む4月の利上げ 確率はゼロとなっている。6月の確率は22%前後と、1週間前の46%か ら低下している。利上げ確率が50%を超えているのは12月以降となって いる。市場からのこれらのシグナルにもかかわらず、シカゴ連銀のエバ ンス総裁はこの日、年内2回の利上げを正当化できるほど経済は力強く なるだろうとの認識を示した。

米金融当局者は経済指標の改善が金利決定を左右すると強調してい る。給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュート が30日発表した給与名簿に基づく集計調査によると、3月の米民間部門 の雇用者数は20万人増加。予想をわずかながら上回った。4月1日発表 の3月の雇用統計では非農業部門雇用者数は20万5000人増、失業率は前 月と同じ4.9%が予想されている。1日には米供給管理協会(ISM) 製造業景況指数の発表も控えている。

チャールズ・シュワブで英顧客の運用に携わるカリー・サムラ氏は 「現在の市場では、ゆっくりした利上げペースが鍵となっている。4月 利上げの可能性を示唆する当局者発言が相次いだ後、イエレン議長が実 権を取り戻した格好だ。非常に詳細で透明性の高い政策討議は常に投資 家を安心させる。金融当局の求めるものが正確に周知されている」と述 べた。

S&P500種の10セクターのうち、情報技術や一般消費財・サービ ス、金融など7セクターが上昇。一方、公益事業や電気通信サービス、 ヘルスケアはほぼ変わらずだった。

原題:U.S. Stocks Add to Rally Sparked by Dovish Message From Yellen(抜粋)

◎米国債:下落、トレーダーの関心は労働省発表の雇用統計に

30日の米国債は30年債を中心に下落。トレーダーは今後の米利上げ 軌道を見極める上で、4月1日に米労働省が発表する雇用統計に関心を 寄せている。

イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が前日の講演で、利 上げに対する慎重姿勢は「特に正当化される」と述べたことから、米国 債は上昇した。給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティ テュートが朝方発表した3月の米民間部門雇用者数は予想を上回る伸び だった。

ハイ・フリークエンシー・エコノミクス(HFE)の米国担当チー フエコノミスト、ジム・オサリバン氏(ニューヨーク州バルハラ在勤) は、ADP統計は「米労働省の雇用統計は失望する内容になるとの一部 の見方を遠ざけた可能性がある」と述べ、「米金融当局者が引き続き懸 念する世界の景気・金融動向をよそに、雇用増のトレンドは引き続き強 いことがあらためて示唆された」と続けた。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想では米労働省発表の雇 用統計では3月に20万5000人の雇用者増が見込まれている。賃金は前月 と同じ年率2.2%増と予想。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、30年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%) 上げて2.65%。同年債価格(表面利率2.5%、2046年2月償 還)は1 3/32下げて96 27/32。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の政府債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「従来考えられてい たよりも米金融政策当局は利上げに消極的になっていることが示唆され ており、インフレが台頭し、利回り曲線がスティープ化するとの見方は 理にかなっている」と述べた。

ADPリサーチ・インスティテュートによれば3月の米民間部門雇 用者数は20万人増加した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想 の中央値では19万5000人増が見込まれていた。

米財務省が実施した7年債入札(発行額280億ドル)の結果による と、最高落札利回りは1.606%となった。プライマリーディーラー(政 府証券公認ディーラー)以外の直接入札者の落札全体に占める比率 は15.5%と、同年債入札としては2014年8月以来の高水準だった。

シカゴ連銀のエバンス総裁は、米経済が十分力強くなり、金融当局 による年内2回の利上げが正当化される可能性が高いとの認識を示し た。総裁は米経済専門局CNBCのインタビューで述べた。同総裁 は2016年の米成長率について2ー2.5%と予想。この成長率であれば失 業率の押し下げには十分で、6月の連邦公開市場委員会(FOMC)会 合での利上げにつながる可能性があると指摘した。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、金利先物市場が示唆す る6月までの利上げ確率は20%。28日時点は38%だった。

通常の10年債と同年限のインフレ連動債(TIPS)との利回り格 差である10年ブレークイーブンレートは前日に続き拡大し、この日 は1.66%となった。

原題:Bond Traders Shift Focus to Employment Data as Treasuries Fall(抜粋)

◎NY金:反落、今月の上昇分を消す-米労働市場の堅調や株高で

30日のニューヨーク金先物相場は反落。今月の上昇分を消した。米 労働市場が強さを増している兆しや株式相場の上昇を背景に、逃避先と される金の買いが減退した。ADPリサーチ・インスティテュートが発 表した3月の米民間部門の雇用者数は20万人増加。市場予想は19万5000 人増だった。

T&Kフューチャーズ・アンド・オプションズ(フロリダ州ポート セントルーシー)のマイケル・スミス社長は電話インタビューで、「金 はピークアウトしたようだ」と指摘。「良好な経済ニュースは金にとっ て悪い材料になる」と述べた。

ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物は前日比0.7%安 の1オンス=1228.60ドルで終了。銀先物も下落した。

原題:Gold Wipes Out This Month’s Gains Amid Firming U.S. Labor Market(抜粋)

◎NY原油:小反発、38ドル付近-ドルの戻しで高値離れる

30日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インタ ーミディエート(WTI)先物が小反発し、バレル当たり38ドル近辺を 維持した。ドルの戻しで価値保存手段としての原油の魅力が薄れ、原油 相場はS&P500種株価指数と歩調を合わせ、この日の高値を離れた。

エナジー・アナリティクス・グループ(フロリダ州ジュピター)の ディレクター、トム・フィンロン氏は「在庫水準は歴史的な高さにあ り、これは無視しがたい」と指摘。「原油相場は通常通り、S&P500 種と連動しており、ドルは持ち直している」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物5月限は前日 比4セント(0.10%)高い1バレル=38.32ドルで終了。一時は39.85ド ルまで上昇した。月初からは14%の値上がり。ロンドンICEの北海ブ レント5月限は12セント上昇し39.26ドル。

原題:Oil Closes Near $38 After Dollar Loss Eases, U.S. Supply Rises(抜粋)

◎欧州株:ストックス600指数、続伸-FRB議長が米利上げに慎重

30日の欧州株式相場は上昇。指標のストックス欧州600指数は続伸 となった。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が世界経済 の状況を鑑み、利上げを「慎重に進める」と前日発言したことが背景に ある。

ストックス600指数は前日比1.3%高の341.18で終了。連休入りを翌 日に控えた24日までは4日続落となっていた。今月これまでは2.2%上 げており、このまま行けば月間ベースの騰落率は昨年11月以来のプラス となる。年初来の下げ幅は一時の17%から6.7%に縮小した。

CMCマーケッツの市場アナリスト、マイケル・ヒューソン氏(ロ ンドン在勤)は前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)後に「出てき たあらゆるタカ派的論調をイエレン議長が押さえつけた」とし、「4月 の利上げ懸念は薄れ、6月に利上げがある可能性もやや後退したことで 相場が総じて大きく押し上げられた」と語った。

業種別19指数の中で最も上げたのは資源銘柄。英アングロ・アメリ カンの12%上昇が目立った。原油高を背景にエネルギー銘柄も買われ た。ノルウェーのシードリルは5.8%上昇。

個別銘柄では、ドイツの小売り企業メトロが12%上昇。自社を2分 割する計画の発表が好感された。

原題:Europe Shares Gain After Yellen Reiterates Rates to Rise Slowly(抜粋)

◎欧州債:イタリア債上昇、独債とのスプレッド縮小-ECB期待で

30日の欧州債市場ではイタリア国債が上昇。ドイツ10年債に対する 利回り上乗せ幅(スプレッド)は月間で昨年7月以来の大幅縮小となり そうな様相だ。欧州中央銀行(ECB)の資産購入プログラムが高リス ク資産に恩恵をもたらしている状況が浮き彫りになった。

ドイツでインフレ率が3月に上昇したことや世界的な株高で、欧州 債の指標とされる同国10年物利回りは約1週間ぶりに上昇。ただ、ユー ロ圏全体の国債の今年に入ってからのリターンはプラス3.4%と、 ECBが量的緩和(QE)を開始したばかりだった前年同期以来の大き さとなっている。ECBは4月から月間購入額を200億ユーロ拡大す る。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニック・ス タメンコビッチ氏(エディンバラ在勤)は「現時点で全体的な環境は極 めて相場に追い風だ。超低金利の環境下で、投資家らは利回りを追求し ている」と発言。イタリアの政治状況がスペインよりもやや安定してい ることから自身はイタリア債を選好しているとし、ドイツ債との「スプ レッドが一段と縮小する余地があり得る」と語った。

ロンドン時間午後4時40分現在、イタリア10年債利回りは前日比2 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の1.22%。一時は2015 年3月20日以来の低水準まで下げた。同国債(表面利率2%、2025年12 月償還)価格は0.21上げ107.175。

ドイツ10年債利回りは2bp上昇し0.16%。イタリア国債とのスプ レッドは106bpとなった。2月末からは26bp縮小している。

原題:Italy Bond Spread Shrinks Most Since July as ECB Set to Boost QE(抜粋)

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