米国株:連日の年初来高値更新、議長のハト派発言をなお好感

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  • 月間では昨年10月以来の大幅高になる勢い
  • 銀行株が6日ぶりに上昇

30日の米株式相場は続伸。年初来高値を連日で更新した。米金融当局からこの日も、楽観をあおる発言が続いた。前日に米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が世界経済のリスク上昇を理由に利上げに慎重になると示唆したことが、引き続き買いを誘った。

  S&P500種株価指数は3日続伸。ドルはこのままいけば月間で2010年以来の大幅安となる。アップルが3カ月ぶり高値を付け、ハイテク株を押し上げた。銀行株は6日ぶりに上昇。

  S&P500種株価指数は前日比0.4%上げて2063.95で終了。年初来の上昇率は1%となった。ダウ工業株30種平均は前日比83.55ドル(0.5%)高の17716.66ドルで終えた。ナスダック総合指数は0.5%高。今年に入って初めて200日移動平均を上回って終えた。

  ナショナル・ペン・インベスターズ・トラスト(ペンシルベニア州ワイオミッシング)のシニア株式運用者、テリー・モリス氏は「イエレン議長の発言を受けた前日の強さを引き継いだ格好だ。議長はそれまでのタカ派色を完全に拭い去り、市場が望む完全なハト派姿勢となった。市場もそれに反応した」と述べた。

  S&P500種は2月11日に付けた1年10カ月ぶりの安値から13%近く戻している。原油相場が12年ぶり安値から戻したことに加え、日米欧の金融政策当局者が景気刺激を続ける考えを示唆し、世界的な景気減速への懸念が抑えられたことが背景にある。3月はこれまでのところ6.8%上昇しており、昨年10月以来の大幅高となっている。

  イエレン議長の発言を受け、金利先物市場が織り込む4月の利上げ確率はゼロとなっている。6月の確率は22%前後と、1週間前の46%から低下している。利上げ確率が50%を超えているのは12月以降となっている。市場からのこれらのシグナルにもかかわらず、シカゴ連銀のエバンス総裁はこの日、年内2回の利上げを正当化できるほど経済は力強くなるだろうとの認識を示した。

U.S. dollar

Photographer: Chris Ratcliffe/Bloomberg

  米金融当局者は経済指標の改善が金利決定を左右すると強調している。給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが30日発表した給与名簿に基づく集計調査によると、3月の米民間部門の雇用者数は20万人増加。予想をわずかながら上回った。4月1日発表の3月の雇用統計では非農業部門雇用者数は20万5000人増、失業率は前月と同じ4.9%が予想されている。1日には米供給管理協会(ISM)製造業景況指数の発表も控えている。

  チャールズ・シュワブで英顧客の運用に携わるカリー・サムラ氏は「現在の市場では、ゆっくりした利上げペースが鍵となっている。4月利上げの可能性を示唆する当局者発言が相次いだ後、イエレン議長が実権を取り戻した格好だ。非常に詳細で透明性の高い政策討議は常に投資家を安心させる。金融当局の求めるものが正確に周知されている」と述べた。

  S&P500種の10セクターのうち、情報技術や一般消費財・サービス、金融など7セクターが上昇。一方、公益事業や電気通信サービス、ヘルスケアはほぼ変わらずだった。

原題:U.S. Stocks Add to Rally Sparked by Dovish Message From Yellen(抜粋)

(第3段落と第5段落以降を追加し、更新します。.)
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