米国債:下落、トレーダーの関心は労働省発表の雇用統計に

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30日の米国債は30年債を中心に下落。トレーダーは今後の米利上げ軌道を見極める上で、4月1日に米労働省が発表する雇用統計に関心を寄せている。

  イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が前日の講演で、利上げに対する慎重姿勢は「特に正当化される」と述べたことから、米国債は上昇した。給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが朝方発表した3月の米民間部門雇用者数は予想を上回る伸びだった。

  ハイ・フリークエンシー・エコノミクス(HFE)の米国担当チーフエコノミスト、ジム・オサリバン氏(ニューヨーク州バルハラ在勤)は、ADP統計は「米労働省の雇用統計は失望する内容になるとの一部の見方を遠ざけた可能性がある」と述べ、「米金融当局者が引き続き懸念する世界の景気・金融動向をよそに、雇用増のトレンドは引き続き強いことがあらためて示唆された」と続けた。

  ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想では米労働省発表の雇用統計では3月に20万5000人の雇用者増が見込まれている。賃金は前月と同じ年率2.2%増と予想。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、30年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 上げて2.65%。同年債価格(表面利率2.5%、2046年2月償還)は1 3/32下げて96 27/32。

  CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード)の政府債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「従来考えられていたよりも米金融政策当局は利上げに消極的になっていることが示唆されており、インフレが台頭し、利回り曲線がスティープ化するとの見方は理にかなっている」と述べた。

  ADPリサーチ・インスティテュートによれば3月の米民間部門雇用者数は20万人増加した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値では19万5000人増が見込まれていた。

  米財務省が実施した7年債入札(発行額280億ドル)の結果によると、最高落札利回りは1.606%となった。プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接入札者の落札全体に占める比率は15.5%と、同年債入札としては2014年8月以来の高水準だった。

  シカゴ連銀のエバンス総裁は、米経済が十分力強くなり、金融当局による年内2回の利上げが正当化される可能性が高いとの認識を示した。総裁は米経済専門局CNBCのインタビューで述べた。同総裁は2016年の米成長率について2ー2.5%と予想。この成長率であれば失業率の押し下げには十分で、6月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合での利上げにつながる可能性があると指摘した。

  ブルームバーグがまとめたデータによれば、金利先物市場が示唆する6月までの利上げ確率は20%。28日時点は38%だった。  

  通常の10年債と同年限のインフレ連動債(TIPS)との利回り格差である10年ブレークイーブンレートは前日に続き拡大し、この日は1.66%となった。
 
原題:Bond Traders Shift Focus to Employment Data as Treasuries Fall(抜粋)

(相場を更新し、第4段落以降を追加します.)
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