債券は大幅安、年度初めの売り圧力警戒-銀行勢は益出しの流れとの声

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  • 先物は53銭安の151円30銭で終了、長期金利マイナス0.045%まで上昇
  • 日銀が午後5時に当面の長期国債買い入れの運営方針を発表

債券相場は大幅安となり、長期金利は2週間ぶりの高水準を付けた。新年度初めに投資家などからの売り圧力が強まるとの警戒感を背景に、売りが優勢だった。

  31日の長期国債先物市場で中心限月6月物は、前日比5銭高の151円88銭で開始。すぐに下げに転じ、午後に入ると大幅に水準を切り下げ、結局は53銭安の151円30銭で安値引けした。

  ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、「決算期末が固まっているので、今日はポジションを動かすことはないだろう。銀行勢は期初に益出し売りの流れだと思う。明日に短いゾーンや超長期ゾーンに売りが出る可能性が高いとの見方が市場コンセンサス」だと話した。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の342回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.09%で開始。午後に入るとマイナス0.045%と17日以来の水準まで上昇した。新発20年物の156回債利回りは4.5bp高い0.45%と16日以来の水準まで上昇し、その後は0.445%を付けた。

  前日に新発30年物として、昨年9月28日以来の取引不成立となった50回債利回りは29日終値比2.5bp高い0.535%で開始し、その後は0.525%に戻している。

  SMBC日興証券の森田長太郎チーフ金利ストラテジストは、「期初の売りをめぐっては例年以上に変数が多く、読みにくい。国内債運用の期待収益率が低い中での売却は単なる利益の先食いになってしまう恐れもある。銀行勢は国内貸出金利の低下やここ数年拡大してきた海外向け融資への逆風も考慮しながら、当座預金残高のマイナス金利適用部分を調整する必要がある」と話した。

  30日の米国債相場は反落。米10年債利回りは前日比2bp上昇の1.82%程度で引けた。米株相場の上昇が重しになった。S&P500種株価指数は同0.4%高の2063.95で終えた。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「早期利上げなしの見方で米国株が上昇し、若干リスクオンの流れにもみえるが、基本的には明日の米雇用統計を確認してからだろう」と指摘。「年度末で市場が薄いだけに取引が出れば相場が振れやすい面はある。期初の益出し売りに対する警戒感も根強い。メガバンクがどの程度売りを出してくるか注目だ」と言う。ただ「売られたところは買いたい人も多いだろう」と話した。

買い入れ運営方針

  日銀はこの日の午後5時、4月以降の当面の長期国債買い入れ運営方針を発表する。3月は前月から変更がなかった。しかし、4月からは2年債、5年債、20年債の毎月の発行額が減額されるため、それに伴いオペの買い入れ額の変更が見込まれている。24日のオペでは、10年超25年以下の買い入れ額が2400億円、25年超が1600億円と前回から200億円ずつ減額されており、4月以降に減額前の水準に戻るかどうかが注目されている。

  4月以降の買い入れ方針について、岡三証の鈴木氏は「オペの金額は超長期ゾーンが減額されたまま変わらないと予想しており、市場もそれを織り込んでいる」との見方を示した。

  ドイツ証の山下氏は、「超長期ゾーンは3月初めと比べて、4月は減額されているが、マネタリーベースを積み上げるためにも他の年限はいじらないのではないか。超長期ゾーンは時価ベースで上昇している。簿価ベースで10%減額しても、時価で上昇しているので良いのではないかという感じ」と指摘。「タイミングはサプライズだったが、超長期ゾーンの減額自体はサプライズではない。今日の発表も、いじる余地があるとは思えず、そんなに材料になるとは思わない」と述べた。

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