【インサイト】ジャンク債上昇持続信じないトレーダーの手に最新兵器

高リスク債の値上がりが続くとは考えていないトレーダーは多い。相場下落から利益を得るため作戦を練っている者もいる。

  企業利益が総じて弱まり、信用サイクルは下降しつつあるとみられる。にもかかわらず、高リスク債はこのところ上昇してきた。特に、米国のエネルギー企業の社債は3月に入ってからこれまでに16%値上がりと記録的な上げを演じ、高リスク債全体の4%上昇に寄与した。これは月間ベースで2011年以来の大幅高。

  この素晴らしいパフォーマンスが続くはずはないと考えたトレーダーらは、手っ取り早く空売りする方法を考えている。しかも、今回は本当に利益を得るつもりだ。昨年末にも下げを予想したトレーダーはいたが、大きな利益につながるような取引を実践し損ねた。

  社債の現物を空売りするのは時間がかかりコストも高くつく場合がある。そこで多くの投資家は代わりにデリバティブ(金融派生商品)を使う。特に有用なのは、幾つかの企業の信用力に関する市場の認識に連動するデリバティブ指数だ。

  しかし米国の高利回り債に連動する主要な指標は、2015年末までの5カ月で6.4%値下がりという現物の動きを十分に反映しなかった。組み入れ銘柄の中でエネルギー企業の社債の割合が小さかったためだ。しかしその後、マークイットは米高利回り債の主要な指数でこの点を改めた。28日に取引が開始された最新シリーズは、エネルギーと資源会社の社債が16%を占める。ビシュワス・パットカー、アダム・リッチモンド両氏らモルガン・スタンレーのアナリストによると、これは3ポイントの引き上げを意味する。

  この結果、商品関連銘柄へのエクスポージャーが高利回り債市場全体での実際の割合を上回るようになった。相場急落を予想する投資家にとっては渡りに船の道具だ。

  そもそも、石油・ガス会社の高リスク債の最近の上昇は根拠が希薄だった。原油が幾分値上がりし世界経済への見方が少しだけ明るくなったくらいだ。一部のエネルギー社債は既に勢いを失い始めた。これを待ち受けていた投資家は今、チャンスを生かす研ぎ澄まされた最新兵器を利用できる。

原題:Traders Prepare for Junk Rally’s End With Revamped Swaps: Gadfly(抜粋)

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