日中首脳会談、核サミットでの実現は困難か-米大統領仲介の可能性も

  • 安倍晋三首相と習近平国家主席は米での核安全保障サミットに出席へ
  • 日中首脳はこの1年会談せず、双方の思惑で今回も見送りか

31日から米ワシントンで開催される核安全保障サミットに安倍晋三首相と中国の習近平国家主席が共に出席する。両首脳はこの機会を利用して、両国関係の緊張の高まりで経済関係が再び損なわれないようにする手段について話し合うことが可能だが、実現は難しそうだ。

  2012年にいったん冷え込んだ日中関係を立て直す取り組みに停滞の兆しが見られる中、両首脳は約1年にわたり会談を行っていない。両国の当局者は2日間開催される同サミット期間中に、日中首脳会談が実現する機運は乏しいとの認識を示している。ただ、過去には数時間前になって首脳会談が正式に決まったこともある。

Photographer: Yao Dawei-Xinhua/Pool/Anadolu Agency/Getty Images

  約2年前の最初の首脳会談後の日中関係の改善は、尖閣諸島問題や歴史認識をめぐる中国の根強い不信でぎくしゃくしている。日本側は南シナ海での中国の領有権主張への批判を強め、中国政府が態度を硬化させる一方、尖閣諸島周辺では日中両国の船舶や航空機がお互いを追尾する状況が続いている。

  名古屋外国語大学の川村範行・特任教授は、「日中関係は決して改善されたとは言えない」と指摘。「南シナ海と東シナ海の問題で日中両国がもう少しコミュニケーションを図り、不安定を招かないような関係を築く必要がある。米国もそれを希望している」と語った。

  安倍首相は29日、国会内で中国との会談の「ドアは常にオープンだ」と答弁したが、菅義偉官房長官は核安保サミットでの二国間会談に関して何も決まっていないと話した。匿名を条件に話した中国外務省の当局者は、中国は同サミットで両首脳が会談するか懐疑的だと語った。

  北京大学で日本問題を研究するリ・ハンメイ教授は、「双方とも南シナ海で歩み寄りを見せておらず、これに関して共通理解もない」と説明。「具体的な譲歩なしに日中が公式に会談することは困難だろう」と話した。

米大統領の仲介も

  オバマ米大統領が日中首脳を仲介し、3カ国会談の実現を探る可能性もある。これは環太平洋連携協定(TPP)や北朝鮮に対する弾道ミサイル防衛(MD)システムの配備など、アジアで米国の影響力を高めようとする大統領の取り組みにも寄与し得る。

  パシフィック・フォーラム戦略国際問題研究所(CSIS、ホノルル)のラルフ・コッサ理事長は、「オバマ大統領は日中首脳に良好な関係を築くよう促すことが可能だ」と指摘しながらも、「双方の政策に対する保守系の支持を集めるため、両国首脳が管理可能な低水準の緊張に価値を見いだして」おり、当面は一定の距離を置くことが最も利益にかなうと両首脳が考える可能性もあると説明した。

原題:Japan-China Tensions Simmer as Xi, Abe Cool on Talks in U.S.(抜粋)

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