日本株は続落、円高や商品市況安で全業種下げ-マイナス金利警戒も

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30日の東京株式相場は続落。米金融当局が利上げを慎重に進めていく姿勢を示して為替市場でドル安・円高が進んだことや、原油や銅など商品市況が下落したことから企業業績の先行き不透明感が高まった。輸送用機器など輸出関連や商社や鉱業、非鉄金属といった資源関連中心に東証33業種は全て下げた。マイナス金利への根強い警戒も加わり、銀行株は午後一段安。

  TOPIXの終値は前日比21.31ポイント(1.5%)安の1356.29、日経平均株価は224円57銭(1.3%)安の1万6878円96銭。

  三菱UFJ国際投信・戦略運用部の石金淳チーフストラテジストは「最近の当局者の発言を受けて3月会合よりFEDがタカ派になったのかと思われたが、イエレン議長は3月会合の趣旨は生きているとして市場の余計な懸念を払しょくした」としたうえで、「残念ながら日本株にとっては為替が対ドルで1円円高に振れた」と述べた。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は29日、ニューヨークで講演し、世界経済の影響でリスクが高まっているため、米金融当局が利上げを「慎重に進める」ことは適切だと言及。さらに政策金利が再びゼロになった場合に米連邦公開市場委員会(FOMC)には政策を緩和する「かなりの余地がなおある」とし、金利に関するフォワードガイダンスや「長期証券の保有規模もしくは期間」の拡大を指摘した。

  イエレン議長が性急な政策引き締めはないとの姿勢を示したことを受けて、29日のニューヨーク外国為替市場ではドルが主要通貨に対して値下がりした。この流れが継続し、日本時間では一時1ドル=112円20銭台までドル安 ・円高が進んだ。東京株市場の29日終値時点は113円57銭だった。

  丸三証券の牛尾貴投資情報部長は「為替は当面1ドル=111-115円のレンジで動くと予想され、一時的に111円に向かえば日本株の足かせとなる」と指摘。企業業績については、今年度の最終利益は当初2桁の伸びが見込まれていたが、「最終的には微増にとどまりそう。来期は円安の利益押し上げ効果はく落、国内景気の緩慢さから期初計画はかなり控え目になり、業績から上値を追う手がかりはない」としていた。

  29日のニューヨーク原油先物相場は前日比2.8%安の1バレル=38.28ドルと続落。米エネルギー情報局(EIA)の週間統計を30日に控え、原油在庫がさらに増加するとの見方が広がった。銅先物など金属市況も下落した。

  根強いマイナス金利への警戒も、銀行株の下げにつながった。一部の国内信託銀行は4月半ばから金銭信託にマイナス金利を適用するとロイター通信が伝えた。「マイナス金利の影響が広がり、金融機関にとっては本業がやりにくくなる上、国債で利ざやが稼ぎにくくなる。銀行収益には当面マイナスに効くため、銀行株には良い話ではない」と、三菱U国際投信の石金氏は話していた。

  取引開始前に発表された2月の鉱工業生産指数は前月比6.2%低下した。ブルームバーグが集計した事前予想の中央値は5.9%低下だった。「特殊要因があるとは言え、かなり低い水準だった」と、丸三証の牛尾氏。ただ先行きはプラスに戻る見通しだと述べ、「表面の数字ほどネガティブに受け止める必要はない」ともみていた。

  東証業種別33指数では海運、銀行、非鉄、パルプ・紙、鉱業、輸送用機器、証券・商品先物取引、鉄鋼、卸売、保険などが下落率上位。東証1部売買高は概算19億1183万株、売買代金は同2兆5億円。値上がり銘柄数は466、値下がりは1419。

  東証1部売買代金上位ではトヨタ自動車、三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、村田製作所、味の素、TDK、日本電産、住友金属鉱山が売られ、みずほ証券が格下げした第一生命保険も安い。半面、ぺプチドリームや小野薬品工業、21年3月期営業利益目標を1700億円とする中期経営計画を発表したオリンパスは高い。

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