米国債:上昇、FRB議長が利上げに慎重な姿勢必要と発言

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29日の米国債は上昇。2年債利回りは1カ月ぶり低水準となった。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB) 議長が世界経済の影響でリスクが高まっているため、米金融当局が利上げを「慎重に進める」ことは適切だと指摘。国債買いを誘った。

  イエレン議長の発言後、米国債は上げ幅を拡大した。議長は29日、ニューヨークのエコノミッククラブで講演。政策金利が再びゼロになった場合に連邦公開市場委員会(FOMC)には政策を緩和する「かなりの余地がなおある」とした。この日の米国債は一時、原油下落を材料に上げていた。投資家は物価上昇ペースの加速を見込んだことから、債券市場のインフレ期待値は上昇した。

  SEIインベストメンツ(ペンシルベニア州オークス)で80億ドル相当の資産運用に携わるショーン・シムコ氏は、「イエレン議長の発言が米国債の買いを集める手掛かりだった」と述べ、「議長の発言は確実にハト派的だった。世界リスクの高まりが見られる」と続けた。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、2年債利回りは8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%) 下げて0.78%と、2月29日以来の低水準。同年債価格(表面利率0.875%、2018年3月償還)は6/32上げて100 6/32。10年債利回りは8bp下げて1.80%。

  通常の10年債と同年限のインフレ連動債(TIPS)との利回り格差である10年ブレークイーブンレートは6ポイント拡大し、1.62%となった。

  サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は29日、米金融当局が緩やかなペースで利上げするとの見通しをあらためて示した。

  ブルームバーグがまとめたデータによれば、金利先物市場では6月までの利上げ確率が26%として織り込まれている。前日は38%だった。

  米財務省が実施した5年債入札(発行額340億ドル)の結果によると、最高落札利回りは1.335%となった。プライマリーディーラーが落札全体に占めた比率は38.9%だった。

原題:Treasuries Surge as Yellen Says Caution Needed in Raising Rates(抜粋)

(リードと第2段落を書き換え、相場を更新し、第5段落以降を追加します.)
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