NY外為:ドル下落、FRB議長が利上げに対する慎重姿勢示す

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29日のニューヨーク外国為替市場ではドルが下落。このままいけば月間ベースで5年ぶりの大幅な下げとなる。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長はこの日、世界経済の減速を背景に米当局が利上げを「慎重」に進めていくことが適切だと指摘した。

  イエレン議長が性急な政策引き締めはないとの姿勢を示したことに反応し、ドルは主要16通貨中15通貨に対して値下がり。ニューヨークのエコノミッククラブでの講演で議長は、経済・金融環境は利上げを開始した昨年12月と比較し、若干悪化しているとの認識を示した。

  CIBCワールド・マーケッツの外為戦略エグゼクティブディレクター、バイパン・ライ氏(トロント在勤)は「イエレン議長の講演についてはハト派寄りの発言を見込んでいたが、それでもわれわれの予想を超える内容だった」と述べた。

  セントルイス連銀のブラード総裁やサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は先週、4月にも追加利上げがあり得るとの認識を示していた。だがこの日のイエレン議長の発言はその可能性が低いことを示唆し、ドルを大きく押し下げた。

  ニューヨーク時間午後5時現在、主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は前日比0.8%低下。このままいけば、月間での低下率は2011年4月以降で最大となる。ドルはこの日ユーロに対しては0.9%安の1ユーロ=1.1291ドル。対円では0.7%下げて1ドル=112円70銭。

  通貨のボラティリティを示すJPモルガン・チェースの指数は11.33%。前日は終値ベースで2月29日以来の高水準となった。

  イエレン議長は世界情勢、特に中国が米金融政策の見通しにリスクをもたらしていると指摘。またドル高が向こう数カ月にわたりインフレへの重しになるとの予想を示した。ドルは15年に9%、14年には11%上昇した。

  先物トレーダーらが織り込む4月の利上げ確率はゼロと、前日の6%から低下。6月の確率も38%から26%に下げた。この算出は、次の利上げ後に実効フェデラルファンド(FF)金利が新しい目標レンジの中央になるとの仮定に基づく。

  シリコン・バレー・バンク(カリフォルニア州サンタクララ)の上級為替トレーダー、ミン・トラン氏は「イエレン議長の慎重な発言に反応してドルは売られている」と分析。「今回の講演内容は確実に、他の金融当局者による最近の強気な発言よりもハト派的な色合いが強かった」と指摘した。

原題:Dollar Heads for Worst Month Since 2011 on Slower Fed Rate Path(抜粋)

(第6段落以降を追加し、更新します.)
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