【インサイト】バンカーに試練の2018年、法令順守だけが明るい場所か

次の金融危機がいつ起きるか予知しようとする人々は、リマインダーを2018年1月1日にセットしておくべきだ。

  多くの新たな銀行規制の施行がこの日予定されているが、金融機関の貸し出し能力がさらに制限されることで最も良質な借り手だけに資金を振り向ける動きが促され、世界的に破綻が加速する恐れもある。しかし他の金融規制の例に漏れず、施行日よりも早く影響が表れることになりそうだ。

  バーゼル銀行監督委員会が定めるレバレッジ基準と、国際会計基準審議会(IASB)が決定した国際会計基準(IFRS)第9号(「金融商品」)という2つの重要なルールが18年に適用開始となる。内部の独自基準によるリスク評価の停止を銀行に義務付ける別の規制の導入も来年から始まる。

  国際銀行資本規制「バーゼル3」は、グローバル市場での流動性低下と与信の伸びの鈍化を招いた元凶として、これまでも批判を浴びてきた。IFRS第9号を例に取ると、予想される信用損失を早期に認識することが求められるため、一部のクレジットアナリストによれば、銀行によっては不良資産への分類が最大で30%余り増えることもあり得る。不良資産が増えれば資本要件が厳しくなるが、これは貸し出しコストの上昇を意味し、与信が一層難しくなる。

  金融機関はデリバティブ(金融派生商品)の取引相手のリスクを内部モデルによって評価することが17年以降できなくなり、18年には証券化商品に対象が拡大される。さらに施行日は確定していないが、ローン顧客についてもバーゼル銀行監督委が定めた基準に基づいて評価を行うことがやがて義務付けられる。

  それ以前にオンバランスとデリバティブ、証券金融取引(SFT)、オフバランス(簿外)リスクのエクスポージャー総額に対して銀行が保有しなければならない自己資本の最低比率を指すレバレッジ基準の導入が18年1月1日に予定され、こちらも与信の伸びを強く抑制する方向に働く。

  基準金利がいかに低く、たとえマイナス圏でもグローバルな景気拡大を銀行が後押しすることはますます難しく、さらに厳しくなろうとしている。減量経営を行う銀行がレバレッジ解消に動けば、世界経済も縮小に向かうだろう。経営破綻と解雇の増加、雇用の削減をそれは意味し、グローバル危機につながる道のように思われる。

  キング前イングランド銀行(英中央銀行)総裁は、金融危機後に成立した極めて詳細な内容に踏み込む銀行法規が、弁護士とコンプライアンス(法令順守)担当役員の大量の雇用を創出したのは間違いないと最近述べた。これら2つの分野だけがひょっとすると「ポスト2018年」の唯一のブライトスポット(日の当たる職種)になるのかもしれない。

  (このコラムの内容は必ずしもブルームバーグ・エル・ピーの意見を反映するものではありません)

原題:Beware 2018, When the Next Perfect Banking Storm May Hit: Gadfly(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE