シャープ株が2カ月ぶり安値、最終赤字2000億円との報道

  • 今期の純損失が2000億円規模に、液晶パネルの収益悪化-日経
  • 新株発行による希薄化懸念があり、上昇要因に乏しい-アナリスト

台湾の鴻海精密工業と買収交渉中のシャープ株が29日、2カ月ぶりの安値まで売られた。今期(2016年3月期)の純損失が2000億円規模になるという報道があった。

  株価は一時、前日比6.1%安の123円まで売られ、1月21日以来の安値となった。11時8分現在は同3.8%安の126円で取引されている。

  日本経済新聞朝刊は29日付朝刊で、主力の液晶パネルの収益が悪化したことに加え、生産設備の減損処理などの特別損失がかさむ、と巨額の純損失の要因を伝えた。営業損益は、同社の従来予想の100億円の黒字を大きく下回る約900億円の赤字となる見込みという。シャープは報道を受け、中国市場の悪化による販売不振のため、通期業績予想の下方修正を検討していると発表した。

  エース経済研究所の安田秀樹アナリストは、日経報道について「影響はあると思うが、ある程度予想されていた」と指摘。今後も買収合意後に想定される鴻海への割当増資に伴う新株発行により「希薄化懸念があるため、上昇要因に乏しい」と話した。

  ブルームバーグのデータによると、アナリスト8人の今期の純損失の予想平均は1136億円。アナリスト9人による営業損失の予想平均は239億円となっている。  

  シャープの買収をめぐっては、鴻海と日本の政府系ファンドの産業革新機構が競ってきたが、シャープは2月25日の取締役会で郭台銘(テリー・ゴウ)会長が率いる鴻海からの買収受け入れを決めた。しかし鴻海は「新たな重大情報」について精査する必要があるとして、正式契約を延期するとシャープの決定直後に発表。買収は、シャープの発表から1カ月が経過しても契約が締結できない異例の展開となっている。 

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