日本株3日ぶり反落、権利落ちで銀行、医薬品安い-小売や不動産支え

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29日の東京株式相場は3営業日ぶりに反落。3月期決算銘柄の配当・株主優待権利落ちの影響が響き、銀行や証券株が売られ、医薬品、空運や陸運株も安い。海外原油市況の軟調を受け、鉱業や石油など資源株も下げた。半面、今期増収増益を計画したニトリホールディングスなど小売株、不動産やその他金融株は堅調で、相場全般を下支えした。

  TOPIXの終値は前日比4.25ポイント(0.3%)安の1377.60、日経平均株価は30円84銭(0.2%)安の1万7103円53銭。

  三井住友アセットマネジメントの平川康彦シニアファンドマネージャーは、「日本株は海外要因から売り込まれた反動はあっても、収益に対する目線が下がっていることから強気にはなれない」と指摘。一方で、「微妙に値持ちが良いのは選挙やサミットを控え、政策がパッケージで出てくることへの期待が少なからず入ってきているため」との見方も示した。

  29日に米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の講演に加え、4月1日には米雇用統計や日本銀行の企業短期経済観測調査(短観)など今週は国内外で重要イベントがめじろ押し。積極的な買いが入りにくい状況で、3月期決算銘柄の権利落ち分を埋め切れなかった。ブルームバーグ・データによると、配当落ち分は日経平均株価で128円、TOPIXで13.2ポイントだった。好配当利回りセクター中心に権利落ちの影響が出やすかった。

  SMBCフレンド証券投資情報部の松野利彦チーフストラテジストは、きょうは「商社や石油などエネルギー、証券、銀行、サービスなど好配当利回りセクター中心に、理論上は日経平均で128円が落ちる計算」と話した。東証1部の売買代金上位では、期末配当75円が予定される三井住友フィナンシャルグループ、3円75銭予定のみずほフィナンシャルグループが下落。武田薬品工業や日産自動車も下げ、日本航空やANAホールディングス、オリエンタルランドといった株主優待実施の銘柄群も軟調だった。

  また、28日のニューヨーク為替市場では、ドルが7営業日ぶりに反落。米商務省が発表した2月の米個人消費支出(PCE)は前月比0.1%増にとどまり、消費者が所得の増加分を貯蓄に回したことが示された。前月は速報値の0.5%増から0.1%増に下方修正。きょうのドル・円はおおむね1ドル=113円半ばで推移、日本株の28日終値時点は113円53銭。17日を底にドルが上値を切り上げてきた流れはやや足踏みしている。

  もっとも、日経平均は朝方に185円安まで売られた後、一時はプラス圏に浮上するなど下げ圧力は限定的。TOPIXとともに、権利落ち分を除けば実質プラスだった。SMBCフ証の松野氏は、需給面で新年度入り後の機関投資家のポートフォリオ見直しに対する期待が強く、権利落ち後に年金中心に配当分の再投資も予想されるともみていた。マザーズ指数は昨年7月以来となる1000ポイントを回復するなど、国内新興市場の一角は堅調だった。

  三井住友アセットの平川氏は、「これまでの日本株は配当権利落ちから1週間前後は、その影響による売りがじわじわと出たのが通常だった」と言う。しかし、マイナス金利政策の影響で「今は売却した後に利回りを確保する資金の行き場がない。売りが止まっている上、再投資の買いも入ってきており、通常に比べ株価が落ちにくい」と指摘。不動産やその他金融など低金利メリット業種の堅調はこうした流れの一環と受け止めていた。

  東証1部33業種は鉱業や空運、医薬品、銀行、石油・石炭製品、非鉄金属、陸運、保険、証券・商品先物取引など22業種が下落。鉱業や石油は、前日のニューヨーク原油先物が7セント安の1バレル=39.39ドルと、終値で16日以来の安値だった影響もあった。不動産や小売、その他金融、繊維、ゴム製品、食料品など11業種は上昇。東証1部の売買高は17億5085万株、売買代金は1兆8383億円。値上がり銘柄数は789、値下がりは1061。

  売買代金上位ではメガバンク3行のほか、アステラス製薬やNTTドコモ、JR東日本、アルプス電気、国際石油開発帝石も安い半面、不動産譲渡で特別利益を計上するIHIは急伸。ニトリHDが買われ、三井不動産やアイフル、東レ、コナミホールディングスも高い。

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