債券は下落、新年度入り後の売りに強い警戒感-明日の日銀オペに注目

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  • 先物は前日比8銭安の151円79銭で終了、一時151円70銭まで下落
  • 決算固まり少し調整した程度では買いは入らないだろう-みずほ証

債券相場は下落。新年度入り後に投資家からの益出しの動きが強まるとの警戒感を背景に、売りが優勢だった。

  29日の長期国債先物市場で中心限月6月物は、前日比3銭安の151円84銭で取引を開始。日銀が午前の金融調節で長期国債買い入れオペを通知しないと水準を切り下げ、151円73銭まで下げた。午後に入ると一段安となり、一時は151円70銭まで下落。結局は8銭安の151円79銭で引けた。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、債券相場について、「買える人は買ってしまって買い手が不在の中で、ポジション調整的に売られて相場は重い展開となっている」と話した。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の342回債利回りは、日本相互証券が公表した前日の午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高いマイナス0.09%で始まった後、マイナス0.085%で推移した。新発5年物の127回債利回りは1.5bp高いマイナス0.22%で開始後、一時マイナス0.215%まで上昇。その後はマイナス0.225%を付けている。新発20年物の156回債利回りは0.5bp高い0.41%で始まり、一時0.415%まで上昇した後、0.405%に戻した。

  BNPパリバ証券の藤木智久チーフ債券ストラテジストは、「日銀オペは昨日あったので次は明日だろう。日銀の買い入れオペのペースが大きく変わらないのであれば、国債残高が減少していくことに変わりはない」と指摘。「2016年度入り後の見通しは不透明感が高い。株価が上昇すれば良いが、上値が重たくなる懸念も高い。新興国懸念もなくなってはいない。債券で益出しの局面もありそう」と話した。

日銀買い入れオペ

  日銀は30日か31日に今月10回目となる長期国債買い入れオペを通知する見込み。実施される場合は残存期間1年ー5年や超長期ゾーンを対象としたオペが通知される見通しだ。

  メリルリンチ日本証の大崎氏は「明日は超長期債のオペが注目される。買い現先オペやコマーシャルペーパーの買い入れオペと低過ぎる金利での応札が拒否される展開となっており、注目されやすい」と指摘。30日オペ実施の場合、「買い取り期日は年度明けの4月1日になることから、益出しの動きも入るとみられ、意外と売り余力があるかもしれない。一方、応札倍率が低下した場合には、金利急低下につながり、相場のボラティリティが上がることになりそうだ」と分析した。

  みずほ証券の辻宏樹マーケットアナリストは、「期末で動きづらく材料も乏しいが、日銀買いオペがないと相場は弱めに推移しやすい」と指摘。「マイナス金利導入後で投資家が来年度の運用をどうするか不透明な部分も大きい。今年度に関しては決算の数字が固まっているので、相場が少し調整した程度では買いも入らないだろう」と説明した。

  総務省が午前に発表した2月の家計調査(2人以上の世帯)で実質消費支出は前年比1.2%増加、失業率は3.3%となった。1月はそれぞれ3.1%減、3.2%だった。一方、経済産業省が発表した2月の小売業販売額は前年比0.5%増加となった。

  SMBC日興証券日本担当シニアエコノミストの宮前耕也氏は、家計調査と商業動態統計の両統計とも前年比ベースではプラス化となったが、どちらもうるう年効果の影響が大きいと分析。「実質雇用者報酬が増加傾向にある割には消費が低迷しているとの評価に変わりはない」と言う。

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