NTTデータ:米デルのITサービス買収、3500億円で最大-株価上昇

更新日時
  • 従業員2万8000人受け入れ、北米中心にグローバル展開を強化
  • 17年3月期はのれん償却が重しとなり利益低下の可能性との指摘も

NTTデータは米デルからIT(情報技術)サービス関連事業を買収すると28日に発表した。29日の株価は上昇している。買収額は概算で30億5500万ドル(約3500億円)、同社の買収ではこれまでで最大規模。

  29日はTOPIXが前日比0.3%安で午前の取引を終えた一方、同社株は同0.9%高。一時同1.6%高まで上昇した。市場では、この買収により同社にとって海外で最も重要な北米市場での顧客基盤強化が期待されている。発表資料によると、譲渡時期は未定で、デルの従業員2万8000人を受け入れる。今後の見通しについては精査中だが、今期(2016年3月期)の連結業績予想には影響しないとしている。

  調査会社のガートナーの推計では19年に世界のITサービス市場規模は1兆1180億ドルに達する見通しで、北米がその約半分を占める。人口が減少する国内で政府や医療、金融機関に顧客を持つNTTデータは、08年以降買収によって海外展開を加速させており、デルの事業買収を通じて世界最大の市場で拡大を図る。

  SMBC日興証券の菊池悟シニアアナリストはこの買収について、「同社は海外事業の成長戦略を推し進めているが、最も重要な米国事業のキャパシティと顧客基盤を強化する必要があった」と28日付のリポートで指摘。買収部門の収益性は未開示だが、営業利益率は「同社の7%前後と大きく変わらない」と述べた。

米当局の承認

  NTTデータの西畑一宏常務は28日、買収の資金調達の詳細は決まっていないとし、株式発行や借り入れなどを含め、これから検討すると記者団に話した。譲渡については米当局の承認次第だが、通常2-3カ月を要すると認識しているという。今回の買収でNTTデータは北米地域の事業拡大、クラウドサービス、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)サービスの強化を目指すと述べた。

  デルのITサービス部門の中核には、09年に買収したペロー・システムズが含まれる。主要顧客にはヘルスケア、金融機関や連邦政府などがある。ペロー・システムズは、米大統領選への出馬経験がある実業家ロス・ペロー氏が設立し、09年にデルが約39億ドル(当時の為替換算で約3585億円)で取得していた。

  この買収のフィナンシャルアドバイザーはデル側がシティグループ、NTTデータ側がウェルズ・ファーゴ、クレディ・スイス、JPモルガンだと西畑常務が明らかにした。

のれん償却

  ブルームバーグが集計したアナリスト12人のNTTデータの17年3月期営業利益の予想平均は1143億円。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の田中秀明アナリストは、短期的にはのれん償却が重しとなり、利益水準が17年3月期の市場コンセンサスを下回る可能性があると28日付のリポートで指摘した。

  NTTデータは海外売上比率を14年の25%から20年までに50%に引き上げることを目指している。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE