欧州銀の損失吸収能力、FSB並みに基準緩和も-EU選択肢検討

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  • 欧州委は討議資料でFSB基準に沿った損失吸収能力要件設定を想定
  • 討議資料の内容は欧州委に対して拘束力を持つものではない

欧州連合(EU)当局は、金融機関の破綻の際に高額な納税者負担を伴う救済を回避するために銀行に義務付ける基準の緩和を検討しているもようだ。

  EUの行政執行機関である欧州委員会が準備した討議資料で、英銀HSBCホールディングスドイツ銀行など域内主要銀行に対し、金融安定理事会(FSB)の総損失吸収能力(TLAC)基準に沿った損失吸収能力要件の設定が想定されていることが分かった。討議資料の内容をブルームバーグが確認した。

  主要国・地域の中央銀行や監督当局で構成するFSBは、国際金融システムにとって重要な金融機関(G-SIBs)30行を対象とするTLAC基準を昨年11月に公表した。今月付の欧州委の討議資料は、FSB基準のEU域内での導入について「可能な選択肢を探る」としているものの、その内容は欧州委に対して拘束力を持つものではない。

  欧州単一破綻処理メカニズム(SRM)の下で設立された単一破綻処理委員会(SRB)のケーニヒ委員長は、金融の安定を脅かすことなく巨大銀行の事業や資本の再編を確実に行うため、ユーロ圏の銀行に国際基準を超える要件を課すと繰り返し発言。「銀行同盟」における損失吸収能力要件が、FSBのTLAC基準よりも厳しいものになるのは「ほぼ確実だ」と昨年12月時点で述べていた

  EU当局は銀行融資や景気刺激に思うように弾みがつかない状況で、TLAC基準やレバレッジ比率といった国際銀行基準の域内での実施を準備している。このため、ヒル欧州委員(金融安定・金融サービス・資本市場同盟担当)は、これらのルールが欧州のビジネスに与える影響についても考慮する考えを示していた。

  FSBの最終基準によれば、G-SIBsに分類される銀行は普通株や劣後債、損失吸収性のある他の証券の発行を通じて、2022年までにリスク加重資産の18%に相当するTLACを確保し、6.75%のレバレッジ比率を同時に維持することが義務付けられる。

             銀行個別のアドオンも

  ケーニヒ委員長はトップ行の損失吸収能力要件のベースラインについて、総資産の8%という数字に一貫して言及し、これがリスク加重ベースで約24%に相当すると昨年12月に説明していた。

  欧州委の討議資料は、大手金融機関の損失吸収能力の最低要件を緩和する可能性に加えて、銀行個別のアドオン(追加要件)を適用する前に満たすべき一連の条件も提示。銀行監督当局は「破綻処理の実行可能性評価」や追加要件が「適切かつ必要」かどうかについて検証する必要があるとしている。欧州委の報道官は24日の取材に対し、討議資料に関するコメントを控えている。

原題:EU Mulls Easing Bank-Failure Rules to Align With Global Standard(抜粋)

(討議資料の内容やケーニヒ委員長の発言を追加して更新します.)
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