【日本株週間展望】戻り試す、ドル安警戒和らぐ-配当落ちは130円弱

3月5週(28日-4月1日)の日本株は戻りを試す展開となりそうだ。年度末接近で国内企業によるレパトリエーション(本国への資金回帰)が一巡、為替市場でのドル安・円高圧力は一時期に比べ弱まってきた。週初は3月決算銘柄の権利付き最終売買日で、配当取りの買いも入る。ただし、週末に日米で重要経済統計の発表があり、徐々に様子見姿勢も強まりそうだ。

  一時1ドル=110円60銭台と1年5カ月ぶりのドル安・円高水準に振れたドル・円相場は、113円台までドルが戻した。経済統計の堅調を背景に、連銀総裁らから米国の追加利上げ時期の接近を示唆する発言も相次いでいる。米国では29日に3月の消費者信頼感指数、30日にADP雇用統計、4月1日に雇用統計と供給管理協会(ISM)による製造業景況指数が公表予定。エコノミスト予想では、雇用統計での非農業部門雇用者数の伸びは20.7万人増(前月は24.2万人増)、ISM製造業は50.4と前月の49.5から増える見込みだ。米統計が良好なら一段とドル高・円安が進み、日本株の支援材料になり得る。

  国内では、1日に日本銀行が企業短期経済観測調査(短観、3月調査)を発表する。大企業・製造業の業況判断指数(DI)はプラス8と、昨年12月調査のプラス12から悪化の予想。国内景気の低調を確認した場合、市場では政府による財政出動など政策期待が高まりやすく、年度末の株価を意識し、米国株に対する出遅れ修正を狙った買いが入る可能性もある。25日時点の日経平均株価の年初来騰落率はマイナス11%と、米S&P500種株価指数のマイナス0.4%を大幅にアンダーパフォームしている。

  第4週の日経平均株価は週間で1.7%高の1万7002円75銭と3週ぶりに反発。円安推移と前の週までの続落反動で週明けに300円以上急伸、創業以来初の通期最終赤字に転落する見通しとなった三井物産など大手商社の業績下方修正を材料にその後下げたが、週末に戻した。ブルームバーグ・データによると、日経平均の29日の配当権利落ち分は128円。為替や米統計などを材料に落ち分を埋めて上昇できれば、一段と下値不安が薄れることになる

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≪市場関係者の見方≫
●ニッセイアセットマネジメントの久保功株式ストラテジスト
  ドル安基調は一服した。住宅関連やADP雇用統計の良さを確認しつつ。ドル高・円安が進もう。円高で世界株に対し出遅れていた日本株に見直し買いが入り、輸出関連を中心に戻りを試す。大手商社の業績下方修正などで悪材料はほぼ出尽くした印象だ。個別企業の業績下方修正が相場の足を引っ張ることはない。

●みずほ投信投資顧問の清水毅チーフストラテジスト
  週末に日銀短観や米雇用統計といった注目材料を控え、日経平均は1万7000円中心のもみ合いが続く。為替が円安方向に動いているのは好材料。米ISM製造業指数が50を超えてくると、米利上げを織り込んでもう少し円安シフトもありそうだ。4月の米利上げや日本の追加金融緩和の思惑も強まる可能性がある。一方、短観で想定為替レートが円高に振れると、来期企業業績の減益リスクが高まるだけに、1万7000円台は買い上がれない。

●SMBC信託銀行の山口真弘シニアマーケットアナリスト
  為替のドル安・円高圧力はなくなってきている。日本株とドル・円は企業業績との関係が色濃く、円安で推移すれば業績が良くなるという方向は顕著。米国は製造業などに不安はあるが、個人消費は底堅く、景気に減速懸念はない。これまでの日本株は、米国株が上昇する中で為替が重しとなって出遅れ、投資家はリスクオンかオフか定められない状況だった。為替の重しが取れれば、日本株は上昇方向へ向かいやすい。
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