三菱商事:今期4300億円の減損計上-商社5社で1兆円に迫る規模

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  • 純損益を1500億円の赤字に修正-初めての赤字
  • 連結ベースの最終赤字は初めて-今期の期末配当25円は維持

三菱商事は24日、今期(2016年3月期)の連結純損益(国際会計基準)を1500億円の赤字に下方修正すると発表した。従来予想は3000億円の黒字。チリの銅事業やオーストラリアの液化天然ガス(LNG)事業などで計4300億円の減損損失を計上する。連結ベースでの最終赤字は初めてとなる。

  資源価格の下落が総合商社の業績を直撃した。三井物産は23日、2600億円の減損を計上するとして今期純損益を700億円の赤字に下方修正すると発表。住友商事もニッケル価格の下落などで今期に1700億円の減損計上を見込む。現時点で総合商社大手5社が想定する減損の合計は約9700億円となる見通しで、前期の合計6900億円を大きく上回る。

  24日に会見した三菱商の小林健社長は「全保有資産の評価について聖域を設けずに精査し必要な措置を取った」と説明。減損額が膨らんだことについては「資源価格変動のマグニチュードが非常に大きかった」と振り返った。一方、減損計上した資源資産については「中長期的には十分な成果をもたらす」と指摘。継続して資源資産を保有していく考えを示した上で「非資源分野をさらに強化することが直近の命題」と述べた。

  減損の内訳はチリの銅事業アングロ・アメリカン・スールへの投資で約2800億円、オーストラリアのブラウズLNG事業で約400億円のほか、同国の鉄鉱石事業や南アフリカのフェロクロム事業、複数の原油ガス開発事業でも計上した。今期の期末配当については1株当たり25円の従来予想を据え置いた。

  赤字転落となることを受けて、6月に支払う予定だった全役員の賞与を不支給にすることを決めた。また、報酬の一部返上も実施することで15年度の社長の役員報酬は約5割、資源分野の担当役員は約3割のカットとなる。

  ドルトン・キャピタル・ジャパンの松本史雄ファンドマネジャーは「減損額は大きいが、懸念されていた悪材料は出尽くしたとみている」と指摘。「資源分野は楽観できる環境ではないが、財務の安定性や総合力において商社業界の中では引き続き競争力を維持できる」との見方を示した。