中国:大手銀行の増益期、終了か-15年の純利益は減少したもよう

  • 貸倒引当金積み増しでバリュエーションは過去最低
  • 配当性向が一段と低下する-BNPパリバの香港在勤アナリスト

中国の大手銀行で10年以上にわたり続いていた年間ベースの増益はすでに終わりを迎えたようだ。今年は苦境がさらに深まる可能性がある。不良債権の増加で各行の配当を維持する余力が脅かされている。

  主要行の決算発表を来週に控えてブルームバーグがまとめたアナリスト調査によると、中国工商銀行をはじめとする中国5大銀行の純利益は昨年、合わせて0.3%減少となったもようだ。2004-14年は年平均25%増益だった。

  中国経済が25年ぶりの低成長となる中、国内行の不良債権はここ10年で最大規模に膨らんでおり、政府は1999年の金融危機後のバランスシート整理で使われたデット・エクイティ・スワップ(債務の株式化)など不良債権を処理する措置を検討している。配当が引き下げられるとの観測が投資家の間に広がる中で、貸倒引当金積み増しの見通しから大手銀行のバリュエーション(株価評価)は先月、記録的低水準に落ち込んだ。

  マッコーリー・グループのアナリスト、マシュー・スミス氏(上海在勤)は「大半の投資家が弱気になっているのは明らかで、銀行の最終的な収益が市場予想を上回ったとしても、考えを変えることはないだろう」と指摘。「資産の質に関連したより深い問題がある。トレンドは徐々に弱まっている」と述べた。

  中国銀行業監督管理委員会(銀監会)のデータによると、中国の銀行業界が抱える不良債権は昨年51%増加し1兆2700億元(約22兆円)に達した。景気鈍化や株式市場の混乱、製造業部門の過剰生産能力抑制に向けた政府の取り組みなどが背景だ。

  ブルームバーグの集計データでは、中国の4大銀行の2014年の平均配当性向は33%と、前年の35%から低下。15年にはさらに低下し30%となったことが来週の決算発表で示される可能性があるとBNPパリバの香港在勤アナリスト、ジュディ・チャン氏は先月のリポートで指摘している。

原題:Decade of Growth Poised to End for China Banks Stung by Bad Debt(抜粋)

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