ゴールドマン:米金融当局者はドル高について心配に及ばず

  • ドルのインフレ率への影響は限定的とゴールドマンがリポートで指摘
  • 利上げへの逆風は市場が織り込んでいるよりも弱いと分析

米金融当局がドル高へのこだわりを捨てるべき時が来たとの見方を米ゴールドマン・サックス・グループが示した。

  ゴールドマンは23日のリポートで、ドルが米金融当局のインフレ目標達成を妨げる恐れはほとんどないと指摘し、当局者らの見解に異議を唱えた。これは米国と日欧の金融政策の隔たりが広がると見込んでいるドル強気派にとって朗報だ。

  7年間の超低金利政策の後、米当局者らが金融政策の正常化を目指す中、利上げ時期に関する当局者の議論の中心になっているのがインフレ動向だ。ゴールドマンはドル高が輸入物価の大幅下落につながっていないことを理由に、利上げへの逆風は市場が織り込んでいるよりも弱いと分析した。

  ゴールドマンのニューヨーク在勤アナリスト、ザック・パンドル、エラド・パシュタン両氏は同リポートで、「ドル高の輸入物価への影響の大半は既に現実化している」と述べ、「現在までのインフレデータ」は、米金融当局の消費者物価予測が示すよりも「ドルのコアインフレへのパススルー効果が限定的にとどまる道筋に沿っているようだ」と説明した。

  市場も同様の見方をしている。トレーダーのインフレ見通しの指標となる、10年債と同年限のインフレ連動債(TIPS)の利回り格差(ブレークイーブンレート)は今週、昨年8月以来の高水準に拡大。これは向こう10年間の平均インフレ率が約1.59%になることを示しており、先月時点の1.2%を上回った。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグのドル・スポット指数は23日、0.7%上昇し、2月16日までのドル高局面以来の長期強気相場をさらに伸ばした。

  イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長は先週の連邦公開市場委員会(FOMC)後に、ドルの力強さが今後も消費者物価の重しになる可能性があると発言。当局者らは今年の物価上昇率予想を従来の1.6%から1.2%に引き下げた。

  パンドル、パシュタン両氏は個人消費支出(PCE)価格指数に関し、「ドル高のパススルー効果の蓄積は引き続きコアPCEへの下振れリスクだが、それだけでは今後2年間にインフレ率が鈍化するとの説得力のある根拠にはならないと思われる」とリポートに記した。

原題:Goldman to Fed: Stop Worrying So Much About the Stronger Dollar(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE