三井物産が大幅安、来期の減配示唆は「最大のサプライズ」と市場

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  • 今回最大のサプライズは16年度の減配可能性を示唆-JPモルガン証
  • 三菱商事や丸紅、住友商事など商社株は全体的に下落

三井物産の株価が大幅安。売り気配で始まった後、一時前日比115円(8.2%)安の1290円と2015年9月29日以来の下落率となった。23日に資源価格の下落の影響で今期(16年3月期)に約2600億円の減損損失を計上すると発表。連結純損益を従来予想の1900億円の黒字から創業来初となる700億円の赤字へと下方修正した。減損額の大きさに加えて、今期は据え置いた配当予想を来期に引き下げる可能性を示したことが嫌気されている。

  JPモルガン証券の森和久アナリストは「今回最大のサプライズは3月時点で16年度の減配可能性を示唆したこととなろう」と24日付の投資家向けリポートで指摘。その上で「三井物産の株価はこれまで1株当たり64円の安定的と見られてきた配当と4.5%程度の高い配当利回りによってサポートされていたが、一旦サポートが外れる格好となり、ネガティブな株価反応が予想される」との見方を示した。

  三井物産はチリの銅事業や豪州の液化天然ガス(LNG)事業などにおいて減損を計上すると発表。初の赤字決算に陥る見通し。ただ、現在の市況低迷下においても減損を出した事業からキャッシュは生み出しているなどとして、今期の年間配当は期初予想通り1株当たり64円を据え置いた。

  一方、来期については資源価格の下落の影響などから配当を支払うための原資となる基礎営業キャッシュフローの低下が見込まれるため、減配となる可能性を示した。今期の基礎営業キャッシュフローの見通しは4700億円。その25%程度を配当に当てる方針。来期の基礎営業キャッシュフローは3500億円程度に減少すると見込んでおり、同様に25%を配当に回すと年間配当は1株当たり49円程度となる計算。

商品市況への連動性高まる

  野村証券の成田康浩シニアアナリストは、基礎営業キャッシュフローの動向によって配当額が変動する可能性があるとして、三井物産の株価は、利益に与える影響が大きい鉄鉱石や原油などの商品市況の動向に対して「より連動性が強まっていく」との見方を示した。業績の下方修正を検討していると発表した三菱商事については「市場では株主還元の期待が強く、来期以降の配当方針が最大の懸念材料」」と述べた。

  この日は三菱商事の株価も一時6.4%安の1873円まで下落。24日付の日本経済新聞は、三菱商事も同様にチリの銅権益や豪LNG権益などで4000億円規模の減損が発生するもようと報じた。16年3月期業績は1000億円台の最終赤字に陥る見通しとしている。三菱商事は同日、「現在、保有資産の精査に基づく通期連結業績予想の下方修正について検討中であり、本日の取締役会で決定され次第速やかに公表する」とのコメントを発表した。

(市場関係者のコメントを第5段落に追加します.)
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