シャープの倒産確率、最大40%に上昇-アナリストのゴーヤル氏

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  • 倒産後に液晶事業をより安く買収することが可能-ゴーヤル氏
  • 買収交渉は停滞、3月末に5100億円の融資の返済期限

経営再建中のシャープが倒産する確率が最大40%まで上昇していると、ジェフリーズ・グループのシニアアナリスト、アツール・ゴーヤル氏が22日付リポートで指摘した。台湾の鴻海精密工業による買収交渉が停滞しており、3月末に5100億円の銀行融資の返済期限を迎える。

  ゴーヤル氏のリポートによれば、倒産する確率は以前は5%だったが、契約締結の遅れを受けて30-40%まで上昇した。鴻海は倒産後にシャープの液晶事業をより安く買収することができるとも指摘している。ゴーヤル氏は倒産の他に考えられる展開として、出資額を減らした上で契約を締結する、融資の返済期限を延長する、産業革新機構からの出資を再検討する-の3つのパターンを挙げた。

  シャープの買収をめぐっては、鴻海と日本の政府系ファンドの産業革新機構が競ってきたが、シャープは2月25日の取締役会で郭台銘(テリー・ゴウ)会長が率いる鴻海からの買収受け入れを決めた。しかし鴻海は「新たな重大情報」について精査する必要があるとして、正式契約を延期するとシャープの決定直後に発表した。買収は、シャープの発表から1カ月近くが経過しても契約が締結できない異例の展開となっている。

鴻海には十分な時間

  ゴーヤル氏はブルームバーグの取材に「倒産するにしても新条件で契約するにしても、鴻海としてはシャープの液晶技術を安く手に入れることができる」と話した。その上で「銀行にとって時間は限られているが、鴻海には十分な時間がある」と述べた。ゴーヤル氏は、過去1年間のレーティング変更に基づいてシャープ株を売買した際のリターンで評価するアナリストランキングで首位タイとなっている。

  シャープは2月29日、買収について「期限は設定しておりませんが、可能な限り早期の最終契約締結を目指し、鋭意、協議を進めてまいります」と発表した。その後、買収の進展に関して新たな発表はない。シャープ広報担当の植村豊土氏は、現在の交渉状況について明らかにしなかった。

  23日付の日本経済新聞朝刊は、鴻海とシャープ、主力取引銀行であるみずほ銀行と三菱東京UFJ銀行は、出資額について当初予定の4890億円から1000億円減額することで調整していると伝えた。同紙によれば、鴻海側は最大2000億円規模の減額案を提示した。主力取引銀行は3月末のシャープへの融資の返済期限について、1カ月延長する方針という。三菱東京UFJ銀とみずほ銀行はコメントしなかった。

  鴻海は2012年にも、約670億円のシャープ株を第三者割当で引き受けることで合意したものの、株価下落を受け、引き受けなかった経緯がある。

  早稲田大学大学院の西山茂教授(アカウンティング、コーポレートファイナンス)は、買収に「相互の信頼関係は重要だ」と指摘する。鴻海が合意後に条件を変更していることについて「今後もシャープをどのような形で鴻海グループに入れるかといった買収後の統合過程で、当初合意した方針を変更してくることが出てくる可能性もある」と述べた。

  24日のシャープ株は終日軟調で、一時前日比3.8%安の126円まで下げた。終値は同2.3%安の128円。

(最終段落に株価終値を追加しました.)
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