米金融当局:信認に痛手も-インフレ上昇の兆しで

  • 15、16両日のFOMCでは利上げ回数の予想を下方修正したばかり
  • 原油相場は安値から反発、コアインフレ率も上向きつつある

米国のインフレ率は上昇し始めているかもしれない。そしてその場合、米金融当局の信認は痛手を負う恐れもある。

  今月15、16両日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で参加者が今年の利上げ回数の見通しを昨年12月時点の4回から2回に減らしたが、その後わずかな期間で米国の物価が上向き始めているとの兆候が濃くなりつつある。

  こうした傾向が続けば、物価圧力は引き続き抑制されているとの投資家の信頼が揺らぐか、海外の景気低迷やデフレ圧力にもかかわらず米経済が耐えられるようにするため、米金融当局は意図的に2%のインフレ目標を試そうとしていると投資家が結論づける可能性がある。

  まず、インフレ期待をめぐる長期の調査結果と市場ベースの指標のいずれも、過去数カ月の市場の動揺に伴って低下した後、反転しつつある。

  米インフレ率は金融当局の目標を大きく下回って推移し、2014年半ば以降の原油急落がその主因の一つとされてきたが、原油相場は今月のFOMC会合の後、3カ月ぶりの高値を付けた。原油は現在、1バレル=40ドル前後と2月11日に付けた26.21ドルの安値を50%余り上回る水準で取引されている。同会合ではフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0.25-0.5%に据え置く決定も下された。

  さらに、変動の大きい食料品とエネルギーを除いたコアインフレ率の指標も明白な上昇を示すようになり、米金融当局にとっても簡単には軽視することができないかもしれない。

コミュニケーション

  バンク・オブ・アメリカのグローバル経済調査共同責任者イーサン・ハリス氏(ニューヨーク在勤)は米金融当局について、「コミュニケーション上の課題を抱えることになるだろう」とした上で、「コアインフレの伸びが着実に加速しているとすれば、年内2回の利上げだけで打ち止めにすることは可能だろうか」と指摘した。

  FOMC参加者は16日公表の最新の経済予測で、今年10-12月(第4四半期)の個人消費支出(PCE)価格指数のコア指数の見通し(中央値)を前年同期比1.6%上昇と、昨年12月時点の予想と同じ数値に据え置いた。しかし、ここで問題なのは1月のPCEコア指数が既に前年同月比1.7%上昇となっていることだ。

  米金融当局の最新の予測で示された一段と緩やかなペースでの利上げを投資家が織り込んだ場合、予想外に強めのインフレ指標の発表を受けて金融当局が突然メッセージを変更し、より速いペースでの利上げに転じるというリスクにさらされることになる。

原題:Fed’s Go-Slow Message on Rate Hikes May Get Burned by Prices (1)(抜粋)

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